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チャンピオンの練習メニュー 及川瑞基の練習法
②ストレートへのバックハンドドライブ

 2021年全日本卓球選手権大会男子シングルスを制した及川瑞基(木下グループ)が初優勝の支えになった5つの練習方法を紹介してくれる特別企画。
 2回目は、ストレートへのバックハンドドライブを鍛える練習方法を紹介しよう。
※本文の技術解説は右利きプレーヤー同士の練習を想定しています

ストレートへのバックハンドドライブを磨く

バック対バックからストレートへバックハンドドライブする練習


試合で勝つためには、バック対バックの展開で先手を取ることが重要

 前回は、バックハンドのカウンタードライブを磨く練習を紹介しました。今回は、バック対バックから自分が先にストレート(右利きの相手のフォア側)へバックハンドドライブするパターンを磨く練習方法を紹介します。
 試合は、6割から7割くらいがバック対バックの展開から始まります。その展開で「相手より先に仕掛ける」ことを狙いとして、バック対バックからストレートへバックハンドドライブする練習は全日本前にかなりやり込みました。
 こちらが先にバックハンドで先手を取らないと、その後につながっていきません。今回の全日本では、ストレートへのバックハンドドライブを積極的に使ったことが勝因の1つだったと思います。

ポイント① 最後までストレートへ力を伝えるイメージで打つ

 ストレートは、クロス(右利きの相手のバック側)に比べると距離が短いので、ストレートへバックハンドドライブしようとすると、どうしてもオーバーミスしたり、左へ(右利きの相手のフォア側へ)ミスしたりしがちです。
 これらのミスを防ぐために、この練習で僕が意識しているポイントは「ストレートへ最後まで力を伝えるイメージで打球する」ことです。
 ストレートはクロスに比べて距離が短いですが、だからといって、打球時に力を弱めたりスイングを極端に小さくしたりしてしまうと、かえってコントロールが安定しません。
 そのため、僕は、打球が相手コートにバウンドするまで力を伝えるイメージでしっかりスイングし、ストレートへバックハンドドライブしています。抽象的な表現ですが、この意識を持ってストレートへバックハンドドライブすると、打球の安定性や威力が高まると感じています。

ロングボールに対するストレートへのバックハンドドライブ(横から)



ポイント② 目線や体をクロスに向けた状態を保ってストレートを狙う

 ツッツキした後、バックハンドでカウンタードライブするときは、ループドライブの回転量を抑えられずにオーバーミスが多くなりがちです。オーバーミスを防ぐために、「ボールを薄く捉えるイメージで打つ」ことが、僕がこの練習を行うときに心掛けている2つ目のポイントです。
 ボールを薄く捉えるとは抽象的ですが、具体的には「(ラケットの)打球面を少しかぶせる」ことです。打球面をかぶせると、ボールの上の方を薄く捉えることができるので、オーバーミスを防ぎつつ、打球をコントロールしやすくなります。
 スイングは、手首を使ってラケットを横方向へ振ってしまうと打球が不安定になってしまいます。そのため、前腕(ひじから先)を固定するイメージで手首をあまり使わないよう意識し、ラケットを前方向へ振るイメージでスイングしています。

左:クロスへのバックハンドドライブ(前から)
右:ストレートへのバックハンドドライブ(前から)

↓動画はこちら

(取材/まとめ=卓球レポート編集部)

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