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倉嶋洋介の未来予想図 第6回 
【実技編】ナックル性サービスの「重要性」

 元ナショナルチーム監督として日本男子をけん引し、現在はTリーグの強豪・木下マイスター東京の監督を務める倉嶋洋介氏が、その確かな視点で現代卓球を考察する新企画。最先端のプレーはもちろん、これからトレンドになりそうなプレーを切り出し、解説から技術指導まで、さまざまな角度から一歩先へ行くためのヒントを提案していく。
 今回は、ナックル性サービスの精度を高めるポイントについて語っていただいた。
※本文の技術解説は右利きプレーヤーをモデルにしています
※撮影協力=吉田雅己(個人)

ナックル性サービスは、切れたサービスのフォームに似せて出す

 世界の卓球界のトレンドは時々刻々と変わりますが、今、世界で勝つ選手に共通しているのは「ナックル(無回転)性サービスをうまく使う」という点です。前回は、ナックル性サービスの重要性や、そのメリットについてお話ししました。
 簡単におさらいすると、強く回転をかけたサービスしか出せないと、いずれ相手に慣れられ、強い回転を利用されて3球目が打ちにくいレシーブが返ってくることが多いでしょう。その点、ナックル性サービスは回転を利用されることがほとんどないので、3球目がやりやすいことが大きなメリットです。
 今回は、ナックル性サービスの精度を高めるための具体的なポイントについて紹介していきましょう。

 まず、重要なのが「ナックル性サービスは、切れた(回転量の多い)サービスに似せて出す」ことです。
 ナックル性サービスを出すときに、切れたサービスを出すときと明らかにフォームが違ってしまうと、相手に「ナックル性サービスだ」と簡単に見破られてしまいます。それでは相手に良いレシーブをされてしまい、チャンスが巡ってきません。
 したがって、ナックル性サービスを出すときは、切れたサービスと似たようなフォームで出すことを心掛けてください。

手首を固定し、重心移動をしっかり使って勢いよくスイングする

 技術的には、「インパクト(打球の瞬間)前後の手首を固定する」ことがポイントです。手首が利いてしまうとボールに回転がかかってしまうので、サービスがナックル性になりません。ナックル性サービスを出すときは、できるだけ手首を利かせないよう意識してスイングしましょう。
 手首を使わない意識を持ちながら、「全身を使って勢いよくスイングする」こともポイントです。この連載の第1回第2回で述べましたが、スイングに勢いがあると、「サービスが切れているかもしれない」と相手にプレッシャーを与えることができます。一方、勢いがないスイングでナックル性サービスを出すと、相手に見破られやすいでしょう。
 このことを踏まえ、ナックル性サービスを出すときは、右足から左足への重心移動をしっかり使って、いかにも回転を強くかけたかのように勢いよく鋭くスイングしましょう。

ナックル性サービス



ナックル性サービスは、切れたサービスがあって初めて効果を発揮する

 2回にわたってお話ししてきたように、ナックル性サービスはとても有効なサービスで、強くなるために必ず身に付けてほしいサービスです。
 ただし、「ナックル性サービスしか出せない」というのでは意味がありません。ナックル性サービスは、切れたサービスに似せて出すことで効果を発揮するからです。
 どんな回転でも構わないので、まずは自分の得意な切れたサービスを必ず身に付けてください。そうして、切れたサービスとナックル性サービスの組み合わせで相手の読み間違いを誘ってチャンスをつくる使い方も良いですし、3球目攻撃がしやすいナックル性サービスを多用して調子を上げていく使い方も良いでしょう。
 切れたサービスを身に付けた上で、説明したポイントを踏まえて、ナックル性サービスの精度を高めることにトライしましょう。

↓動画はこちら

(取材/まとめ=卓球レポート)

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