11月19日、東京の日野市立日野第四小学校で、車いす卓球選手の岡紀彦プロによる講演会が行われた。岡プロは2000年シドニーパラリンピック、2004年アテネパラリンピック、2008年北京パラリンピックに出場した実績を持つ。国内では11月14~15日に行われた国際クラス別パラ選手権大会で10連覇を遂げ、ジャパンオープン肢体不自由者選手権大会では空前絶後の25連覇(通算26回優勝)という偉業を達成している。
講演会は、講演と実技の2部構成で実施された。第1部の講演では、岡プロが車いす卓球で頂点を目指すこと決意し日本一になるまでのエピソードや、障害者スポーツの魅力などが紹介され、日野第四小学校の全校児童800名近くが熱心に耳を傾けた。講演後には多くの質問の手が挙がり、非常に活発な質疑応答が行われた。
第2部の実技では、子どもたちが卓球で岡プロに挑戦したほか、ボランティア活動の模擬体験としてボールパーソンを経験。鮮やかなプレーに多くの歓声が上がった。また、観覧した子どもたちも見るだけではなく実際に卓球のボールに触れ、多くの子どもが初めての卓球ボールの感触に目を輝かせていた。
今回の講演会は、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け、スポーツへの興味・関心を高めることや、オリンピアン・パラリンピアンとの交流を通して夢を持つことの大切さを感じることなどを目的に開催されたもの。講演会を終えた岡プロは「今回の目的は東京オリンピック・パラリンピックに興味を持ってもらうということでしたが、パラリンピックの障害者選手への認識を深めてもらえて、よかったと思います。自分が選手として東京パラリンピックに出場でき、今日参加してくれた子どもたちがパラリンピックのボランティアに携わるなどして、会場で再会することができればいいなと思います。また、これをきっかけに卓球を始める子が増えてくれれば、うれしいです」と語った。
このイベントの模様は卓球レポート1月号(12月20日発売)にも掲載される予定です。