左から柏原哲郎さん、堀田友幸さん、坂本竜介さん、岸川聖也さん
執行役員監督に就任したのは坂本竜介さん。監督として選手を指揮すると同時に、執行役員としてチームの運営にも参画する。坂本さんは、「埼玉に卓球を根付かせたいです。埼玉にはサッカー、バスケットボールなどのスポーツが根付いていますが、それと同じくらい、もしくはそれ以上に、卓球を根付かせたいです。そのために(Tリーグで)優勝できる球団を作ることが、自分がT.T彩たまに来た意味だと思っています。また、愛されるチームになることも重要です。優勝すること、根付かせること、愛されるチームになること。この3つを達成したい」と力強く語った。
コーチ兼選手は岸川聖也さん。岸川さんは「選手として優勝に貢献したいです。(コーチとしては)坂本さんと20年近い付き合いがある僕にしかできないこともあると思うので、坂本さんを助けたいです」とコメント。そして、「何年も前から、Tリーグには絶対に出たいと思っていました。リーグ創設が検討されている時期がしばらくありましたが、できると決まったからには、絶対に参戦したいと思っていました」と選手としてTリーグへの並々ならぬ意欲をのぞかせた。
坂本さんと岸川さんは、坂本さん18歳、岸川さん15歳の時に、一緒にドイツへ渡ってブンデスリーガに身を投じ、生活をともにした。その後も現在に至るまで親交を温めてきた2人がタッグを組み、T.T彩たまでTリーグ優勝を目指す。執行役員監督の坂本さんは、コーチ兼選手という岸川さんの役割について、「1番に求めるのは『選手』としての活躍です。その中で、選手として、ほかの選手とも近い立場から、監督を助けてほしいと思っています」と述べた。
加えて、3人の外国選手がT.T彩たまと契約したことも発表された。
まずは鄭榮植(韓国)。世界卓球2018ハルムスタッドで水谷隼、張本智和に勝った選手だ。2人目は黄鎮廷(香港)。対日本選手の戦績は15勝5敗と勝率は悪くない。3人目はアポロニア(ポルトガル)。ヨーロッパ選手権大会で団体戦優勝、個人戦3位の実績を持つ。
執行役員として選手獲得にも奔走した坂本さんは、「木下グループの1強という図式は面白くないので、水谷、張本に勝つ外国選手が必要だと考えました。また、海外の選手を入れることで、Tリーグというマーケットを大きくするという面も考えていました。そこで、鄭榮植、黄鎮廷は必ず獲るべきと思い、直接交渉して、熱意で口説き落とすことができました」語った。
【T.T彩たま 6月15日現在の契約合意選手】
吉村真晴(日本)
岸川聖也(日本)※コーチ兼選手
鄭榮植(韓国)
黄鎮廷(香港)
アポロニア(ポルトガル)
これで、T.T彩たまの選手は、Tリーグが条件とする「各チーム6名」まで、あと1名となった。坂本さんは「残りの選手は現在交渉中です。6人ではなく、7~8人獲るために、国内外の選手と交渉を進めています」と語った。誰がT.T彩たまに入ってくるか楽しみだ。
さらに会見では、T.T彩たまの本拠地と言うべきクラブハウスも発表された。T.T彩たまは、NPO法人さいたまスポーツクラブとパートナーシップを結び、さいたまスポーツクラブが有する「SSCあすも」をクラブハウスとすることが決まった。「T.T彩たまが埼玉を盛り上げてくださるということで、私たちに何かできることはないかと考え、頂点を目指せるよう、練習に励める場所を提供できればと思いました」とSSCあすもゼネラルマネージャーの堀田友幸さん。
T.T彩たま代表取締役の柏原哲郎さんは「素晴らしい場所を提供していただき、初代チャンピオンを必ず獲りたい。日本の卓球が低迷している時期に、ドイツ・ブンデスリーガに挑戦した2人(坂本さん、岸川さん)をそろえ、初代チャンピオンを目指します」と述べた。
写真・文=川合綾子
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