T.T彩たまが初のホームマッチで勝利 ©T.LEAGUE
T.T彩たまのホームマッチが、11月20日にサイデン化学アリーナ(さいたま市記念総合体育館)で行われた。試合はビクトリーマッチ(延長戦)まで行われた末、T.T彩たまが3対2で岡山リベッツに勝利。初のホームマッチを勝利で飾ることができた。
1番のダブルスは黄鎮廷/吉村真晴ペアが、上田仁/森薗政崇ペアに2-1で勝利。2番は鄭榮植が苦しみながらも吉村和弘に3-2で勝利した。
3番は平野友樹が李尚洙に0-3で敗れ、4番は黄鎮廷が上田仁に2-3で惜敗。ビクトリーマッチ(延長戦)では鄭榮植が李尚洙を退けて、T.T彩たまの勝利が決まった。
黄鎮廷(左)/吉村真晴のダブルスが勝利 ©T.LEAGUE
2得点を挙げた鄭榮植 ©T.LEAGUE
いち早い外国選手の獲得から始まり、地域やファンへのイベントやサービス、細やかな広報活動、企業や自治体との連携など、T.T彩たまは精力的な活動を続けている。そのT.T彩たまのホームマッチには非常に興味があった。
Tリーグの公式発表によると入場者数は1,098人。サイデン化学アリーナの大きな空間からすると、大入りとは言えなかったが、場内の空気は決して寂しくはなかった。場内アナウンスは気持ちをわくわくさせる。オープニングアクトダンサーは、ダンスの披露にとどまらず、試合中は客席に入って応援を先導。観客たちから手拍子や声援を引き出していた。
率直に言えば、応援は、ものすごい盛り上がり、というわけではなかった。けれども、私は観戦がとても楽しかった。応援方法のチラシが観戦者に配布され、試合の合間、タイムアウト中、タオル使用中などに、アクトダンサーたちが手探りで観客たちを先導。初のホームマッチだから手探りなのは当然だが、その手探りといった中からは「チームを盛り上げたい」という気持ちがひしひしと伝わってきた。
アクトダンサーだけではない。選手たちの客席へのしぐさ、切符売り場のテントでお目にかかった柏原哲郎代表、幼児たちを楽しませた着ぐるみのマスコットキャラクター、そろいの衣装で応援をしていた方々、土足禁止の会場で靴を入れる袋を手渡ししてくれるスタッフさん、臨時バスの運行、チームマスコットの焼き印入りのチーズドッグ。いろんな方々、いろんな事柄から、「盛り上げたい」という気持ちが伝わってきた。
今はまだ、走り出したばかりで、手探りだ。けれども、いずれT.T彩たまの観戦は、そしてTリーグの観戦は、ものすごい一体感を持った熱いものになるのかもしれない。私は今、素晴らしいスポーツ文化の萌芽の瞬間に立ち会っているのではないか。そんな期待を持った。楽しい観戦だった。
文=川合綾子