2019年からスタートするT2ダイヤモンドの競技ルールが発表された。通常のルールと異なる部分を紹介しよう。
●試合は7ゲームスマッチ(4ゲーム先取した方が勝利)
●試合開始から24分経過するまでは、1ゲームは11ポイント制。2ポイントの差は付けない
●試合開始から24分経過したら「プレーオフゲーム」を適用する
●「プレーオフゲーム」は1ゲーム5ポイント制。2ポイントの差は付けない
●「プレーオフゲーム」が適用されたら、そのマッチの残りのゲームも「プレーオフゲーム」で行う
まず注目すべきは、試合開始から24分までは11ポイント制、24分経過後は5ポイント制(プレーオフゲーム)という部分だ。試合運びをスピーディーにすることを意図したものだろう。
ちなみに、2017年に行ったT2 APAC(アジア太平洋リーグ)は、24分の制限時間内でゲーム数の上限を設けずに試合を行っていた。そのため、T2 APACでは「ゲームカウント5対0」といった試合結果もあった。
次に押さえておきたいのは、ゲームの決着に「2ポイントの差を付けない」というルールが採用されることだ。2ポイントの差をつけないということは、10対10になったら、どちらかの選手が次のポイントを取った時点(11対10)でそのゲームは終了ということだ。「プレーオフゲーム」の場合は、4対4になったら、どちらかの選手が次のポイントを取った時点(5対4)でそのゲームは終了となる。
この「ノー・ジュース」のルールは、2017年のT2 APACでも取り入れられていた。
●すべての試合は複数のボールを使って行う
2017年のT2 APACはボールパーソンを配置し、複数のボールで試合を行った。この制度は2018年からワールドツアーにも採用され、2019年のT2ダイヤモンドにも採用されることになった。
●ゲームとゲームの間の休憩時間は45秒以内とする
●ラリーとラリーの間の休憩時間は15秒以内とする
●6ポイントごとのタオルの使用のための休憩時間は30秒以内とする
ゲームとゲームの間の休憩時間は、通常のルールでは1分以内だが、T2ダイヤモンドでは45秒以内。試合運びをスピーディーにする意図がここにも伺える。
ラリーとラリーの間の休憩時間は15秒以内というのも、新たなルールだ。ちなみに、Tリーグには「サーバーは、前のプレーについて主審が得点をコールしてから20秒以内にサービスを開始しなければならない」という「20秒バイオレーション」というルールがある。T2ダイヤモンドでは、この「20秒バイオレーション」よりもさらに時間を短縮する。
タオルの使用のための休憩時間は、通常のルールでは具体的な数字は示さず「短い休憩」としているが、T2ダイヤモンドでは「30秒」という具体的な時間を示した。
T2ダイヤモンドの競技ルール発表にあたり、T2のジェフ・チューCEO(最高経営責任者)は「T2は変革者となるべく、革新的な新しいアイデアを積極的に取り入れます。この斬新な競技形式によって、T2が卓球の魅力を引き出し、ひいては広く世界中にこのスポーツの真の美しさを届けることができればと考えています」とコメントしている。
文=川合綾子 写真提供=T2 Diamond