80回という歴史を持つ西日本卓球選手権大会が、休止されることになった。
西日本卓球選手権大会は、山口県柳井市で80回にわたって開催されてきた。過去の優勝者には伊藤繁雄(日本)、呉尚垠(韓国)、吉田海偉(日本)などそうそうたる名が並ぶ。
1965年、1967年の西日本卓球選手権大会を制した伊藤繁雄は、1969年に世界卓球選手権ミュンヘン大会で男子シングルスの世界チャンピオンとなった。1994年の西日本卓球選手権大会を制した呉尚垠は、2005年の世界卓球選手権上海大会で男子シングルス銅メダルを獲得している。2002年の西日本卓球選手権大会を制した吉田海偉は、平成16年度、17年度全日本卓球選手権大会(2005年1月、2006年1月)の男子シングルスで優勝した。
西日本卓球選手権大会は、トップ選手への登竜門のようになっていた時代があった。とりわけ、今ほど大会の数が多くなかった時代には、西日本卓球選手権大会は重要な大会だった。
だが、近年は国内外でさまざまな大会に参加できるようになったこともあってか、大会実行委員会によると「参加者数の減少」に加えて「招待選手の招聘や大会の運営面も厳しい状況」にあったという。実行委員会では大会の在り方について数年にわたって協議してきたが、2019年については、休止せざるを得ないとの判断になったそうだ。
大会実行委員会では「今後、どういう方向になるかは、未定ですが、引き続き卓球競技の普及、振興およびレベルアップに向けて取り組んでまいりたいと考えています」と述べている。
関係者の長年にわたる尽力に敬意を表します。
文=川合綾子 ※文中敬称略