日本卓球協会の宮﨑義仁強化本部長、星野一朗専務理事、倉嶋洋介男子監督、馬場美香女子監督は1月29日に味の素ナショナルトレーニングセンター・卓球場で会見を行い、世界卓球2019ブダペストの日本代表選手男女各4名を発表した。
■男子代表
張本智和(JOCエリートアカデミー)
丹羽孝希(スヴェンソン)
水谷隼(木下グループ)
吉村和弘(愛知工業大学)
■女子代表
石川佳純(全農)
伊藤美誠(スターツSC)
平野美宇(日本生命)
佐藤瞳(ミキハウス)
男子の張本、丹羽、水谷は選考基準を満たしたことから既に内定済み。張本は、①2019年1月発表の世界ランキング20位以内の日本人最上位選手(1名)、⑤2018年1月1日~2018年12月31日までの国際大会において、シングルスで2会以上優勝した者(ジャパンオープンとグランドファイナル)の2つの条件をを満たした。
丹羽は、②2019年1月発表の世界ランキング100位以内の日本人最上位選手(1名)を、水谷は、④平成30年度全日本卓球選手権大会男子シングルス優勝者(1名)を満たしたことで、代表に内定済み。
そして、この会見で発表された4人目の吉村和弘は、張本が2つの条件を満たしたことから、強化本部推薦として代表に決定した。選考理由は、2018年1月以降の主要国際大会での実績と内容の評価と、国際競争力向上への高い潜在性があると思われる選手の評価の2点と倉島監督が発表。
また、昨年1年で世界ランキング30位以内の選手に勝利した数は、張本が14勝で1位。次いで水谷が8勝。吉村はこれに次ぐ4勝を挙げ、国際競争力への高いポテンシャルを評価された形だ。
倉島監督は「彼の爆発力で世界卓球に一波乱起こしてほしい」と期待を述べた。
女子の石川、伊藤は選考基準を満たしたことから内定済み。石川は、①2019年1月発表の世界ランキング20位以内の日本人最上位選手(1名)、伊藤は②2019年1月発表の世界ランキング100位以内の日本人最上位選手(1名)と、④平成30年度全日本卓球選手権大会女子シングルス優勝者(1名)の2つの条件を満たし内定していた。女子は、⑤2018年1月1日~2018年12月31日までの国際大会において、シングルスで2会以上優勝した者が不在のため、強化本部推薦が2名となった。
3人目に選ばれた平野は、2018年1月以降の主要国際大会の実績と内容を評価。世界ランキング30位以内の選手に4名に勝利し、日本人選手の中で世界ランキングが3番目に高い点が評価された。馬場監督は「アジア選手権大会チャンピオンで、前回の世界選手権大会で3位になっています。平野選手の特徴である非常に速い高速卓球は中国に通用する部分でもあります。今後もその部分を強化しながら、世界選手権での活躍を期待しています」と語った。
4人目の佐藤も2018年1月以降の主要国際大会の実績と内容を評価。平野と同じく、世界ランキング30位以内の選手に4名に勝利している。「非常に守備範囲が広く、世界のトップ級の守備範囲を持っています。加えて、昨年から攻撃力を高める努力をしているように見受けられる。カット + 攻撃を磨いて世界選手権で活躍してほしい」と馬場監督は期待を述べた。
男女とも残る代表枠は1枠。3月2日に仙台で行われる最終選考会の優勝者が最後の代表枠を勝ち取る。
また、ダブルスについても宮﨑強化本部長から選考の方針が発表された。
「基本的には、世界卓球で結果を出すということに基づいて、ダブルスのペアリングを考えたい。ただし、どのペアを推してもメダルに届きそうにないということであれば、オリンピックを視野に入れて、組んだことがないペアに組ませてみようかということも考えたいと思います。
3月2日の最終選考会を通過した顔ぶれを見てから、検討していきたいと思います。ペアリングについては3月9日の日本卓球協会の理事会の席で報告した後に発表する予定です」
オリンピックを翌年に控えた世界卓球は例年よりもメディアや卓球ファンの注目を集めることになりそうだ。
(取材=佐藤孝弘)