国際オリンピック委員会(IOC)アスリート委員である柳承敏(韓国)が、国際卓球連盟(ITTF)執行委員会の委員となった。IOC委員がITTF執行委員を兼務するのは初めてのことだという。
ITTFは世界卓球2019ブダペスト期間中に開催した年次総会で規約を改訂し、IOC委員がITTF執行委員に就けるようにした。そして、柳承敏の執行委員会入りは満場一致で認められた。柳承敏がIOC委員とITTF執行委員を兼ねることで、IOCとITTFのさらなる関係強化が期待できそうだ。
柳承敏は選手時代、2004年アテネ五輪男子シングルス金メダルなど活躍。2016年よりIOCの委員を務めており、世界卓球2019ハルムスタッドで実現した韓国と北朝鮮の統一チーム「コリア」結成の立役者となるなど、両国の融和を推進してきた。
ちなみに、ITTFのトーマス・ヴァイカート会長はドイツ出身。1989年11月9日にベルリンの壁が崩され、1990年10月3日に東西ドイツが統一された時代を生きてきた。そうした自国の歴史もあって、ヴァイカート会長は韓国と北朝鮮の融和に高い関心を持っているという。両国の融和を推進する柳承敏のITTF執行委員会入りは、ヴァイカート会長にとって心強いことだろう。
文=川合綾子