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国際卓球連盟 これからの取り組みに言及

 国際卓球連盟(ITTF)のスティーブ・デイントンCEOは2020年4月12日は声明文を出し、これからの取り組みや長期的なアイデア等に言及した。

〈以下は主な内容〉

 ITTFは6月末までの全ての活動を停止せざるを得なくなり、世界卓球選手権釜山大会を再度延期した。
 ライブエンターテインメント業界やイベント業界は大打撃を受けており、スポーツ業界も同様の状況である。この危機的状況はいつか収束すると願いながらも、いつ状況が好転するかが分からない状況にある。
 そして、現在の状況が収束したら、状況は大きく変わっているだろう。その新しい時代に適応できるかどうかは、その業界次第だ。
 (卓球では)国際大会が延期やキャンセルとなり、国内の大会も同様に影響を受けているが、この状況が収束したときに備えておかなければならない。
 今は大変な時期だが、あらゆる分野の業務を見直し、これまでさまざまな理由で手が付けられなかった業務、うまくいっていなかった業務や変更しなければならない業務を洗い出す時だ。


 ここでITTFの取り組み、長期的なアイデアについてアップデートしたい。

1. 健康と安全を最優先事項とする

新型コロナウイルスの影響を受けて世界卓球選手権釜山大会が延期になった時、初めは6月なら実行可能だと思われていたが、時間がたち、さらに延期せざるを得なくなった。9月27日から10月4日に開催できることを願いながら、対策本部を設置して状況を注視していく。

2. 現実的な大会カレンダーを検討する

大会が延期または中止され、オリンピックとパラリンピックが2021年に延期された今、ITTFとしては、大陸大会や各国大会、各国リーグなどへの影響を考えながら、2020年および2021年の大会カレンダーを確認し、パズルのような作業をしている。通常の大会カレンダーに戻るのは、2022年以降と考えている。
また、世界ランキングやオリンピックおよびパラリンピックへの予選に大きく影響が出ているため、ITTFの大会部門、アスリート委員会、世界ランキングエキスパートらが、あらゆるシナリオを検討しているところだ。

3. ITTFを財務的に存続させる

残念ながら、2020年の全大会を開催できなければ、ITTFへの金銭的な影響は避けられない。今年後半の結果次第で、ITTFと今後への金銭的な影響が決まるだろう。ITTF職員と会長が給与と謝礼金の減額に合意してくれたが、2020年の通常活動、契約、人件費などの削減は避けられない。犠牲を払っても、ITTFはこの危機的状況を乗り切っていく。

4. 加盟メンバー同士の前向きなやり取りを手助けする

中国が初めに危機的状況になった際、我々はCTTAを通じて、カタールでのNTメンバーのトレーニング施設の提供、マスクなどの医療用品を武漢へ送付する段取りなどを協力して進めた。現在、ウイルスは世界的に広がっているため、近いうちに基金を立ち上げ、この状況で影響を受けた関係者のサポートができるようにする。


 しかし、家のバルコニーで景色を見ていると、いろいろ振り返る時間が取れる。まだやることはたくさんあるが、この状況が収束したら、我々が進めていける分野は以下の通り。


●国際大会の大幅な改善を実現する

過去2年をかけて、ITTFはワールドテーブルテニス(WTT)を立ち上げた。ITTF大会、運営、見せ方などが全て変更になることは、このパンデミックが始まる前に発表した。適用するのには時間がかかるが、卓球が前進し、世界で最先端のスポーツのひとつになるためには必要なこと。市場が求めているのは「新しさ」。だから、加盟協会に仕える連盟としてのITTFと、卓球を商業化することを目的とする企業としてのITTFとの境界線が、より正確に描けるようになるだろう。

●選手とファンを、もっと卓球の中心に据える

選手とファンが置き去りにされていることがよくあるが、選手とファンの重要性を認識し、彼らのニーズを満たせるような新しい体制が必要。選手を中心に据え、体制を見直す時期であり、それはWTTが行っていく。ITTFは加盟メンバーや選手に注力し、ファンにはさらに明確な物語を提供していく。

●世界卓球、オリンピック、パラリンピックが、加盟協会の強化やその地域での卓球の普及の力になれるようにする

現在は毎年、世界卓球選手権大会(世界卓球)が開催されているが、将来的には団体戦だけの実施を検討する時が来たと感じている。世界卓球やオリンピックが団体戦に重きを置き、各連盟の責任として維持され、プロのプラットフォームが個人の試合に注力できる。
この理由は、WTTが年間3~4回の「グランドスマッシュ」大会を予定しており、それが世界卓球の個人戦と同等かそれ以上の規模となるからだ。この「グランドスマッシュ」が年に数回開催され、世界卓球の個人戦も開催されたら、大会カレンダーも市場も混乱する。毎年3~4回の主要大会が国際ステージで開催されれば、世界卓球の個人戦が2年に1回開催されるより観客が多く、規模も大きくなる。この大会から個人世界チャンピオンを決めることもできるだろう。

●普及とハイパフォーマンスの道筋を再定義する

加盟協会とともに、その地域において持続可能な普及のためのプログラムおよび道筋づくりのシステムを構築する。それとは別に、世界中から素晴らしい選手が育つよう、さまざまな地域に対して援助をしていく。

 また、今はITTFハンドブックや憲章を近代化するチャンスだ。ハンドブックには、より明確にITTF、加盟メンバー、そしてその地域の役割を定義する。

 結論として、非常に困難な年ではあるが、卓球はこの危機を乗り越えることができ、これまで以上に高い地位を得ることになるという励ましのメッセージを送りたかった。ITTFは、メンバーに今後何年も提供していくことのできるものを実行している。パンデミックが収束したら、全速力で前進できる準備はできており、そのためのプラットフォームと大会を作っている。


 ウィンストン・チャーチルは、かつてこう言った。「良い危機を無駄にするな」と。今は皆にとって非常に困難な時期だが、現在の状況を踏まえ、可能な限り前向きに今の瞬間をとらえるように努めている」

A message from our CEO(ITTF):https://www.ittf.com/2020/04/12/message-from-our-ceo/

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