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渋谷浩が見たパリ大会<3>女子シングルス1回戦

shibu.jpg福原は残念ながら初戦で敗れてしまいました。相手は非常に打球点が高く、上から両ハンドのドライブ、特にバックハンドを打ってくる選手でした。福原が緩急をつけても、遅いボールも上から、強いボールも上からカウンターされていたので、苦しい展開だと思っていました。
それから、徹底的に福原のバックサイドをつぶされました。相手は、福原のフォア側を攻めるとボールを散らされるので厳しいと思ったのでしょう、徹底してバック側を攻めてきました。サービスもフォア前とバック側への長いサービスを徹底してやられました。バックを攻められ、コースを変えようとして失敗し、回り込んでミスしてしまい、そのままつなげば狙われるという形になってしまいました。
ただ、上から打たれるのは仕方ないにしても、もう少し相手に持ち上げさせる工夫をできたらよかったのかなと思います。例えば、ツッツキをコートいっぱいに深く切って持ち上げさせるなど、そこからの展開が少しあれば、また少し変わってきたかもしれません。

石川は二重丸ですね。集中力がピークのままずっと戦うのではなく、ほどよく9割くらいの集中力で、試合のスタートから最後まで集中力の波が全然ありませんでした。技術的にもミスショットはほとんどなく、調子がいいと思います。

平野は、やりにくい相手だったと思いますが、うまく戦っていました。例えば、カット型に攻撃されれば、普通の選手ならまず防御しようとするでしょう。しかし、平野の試合を見ていたら、攻撃選手に打たれたときのような対応をしていて、逆に攻撃的にはね返すというようなプレーが印象的でした。また、カット型に対してよく用いるような持久戦ではなく、サービスから3球目など、いろいろな手段を使っていました。攻め方にいろいろなバリエーションがあったのがよかったと思います。

松澤の試合、最初のゲームは、松澤のボールに対して相手が台からの距離をつかめていませんでした。しかし、第2ゲームからは松澤のボールがなかなか決まらなくなってきて、得点するときは長いラリーの末に得点して、失点するときは短いラリーであっさり点を取られていました。こうした展開になると、4ゲームを取るのは難しくなります。Vi.パブロビッチのようなクラスの選手になると、短いラリーで点を取ることはなかなかできません。松澤としては、短いラリー回数のときの失点をいかに防ぐかという課題が見えたのではないでしょうか。

渋谷浩
平成11年度全日本チャンピオン
1997年世界選手権大会男子ダブルス銅メダリスト



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試合の詳細な記録は下記サイトをご覧ください。
国際卓球連盟 公式HP:http://www.ittf.com
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