男子シングルス準々決勝第3試合、いよいよ日本の松平健太が登場した。対戦相手の許昕はここまですべての試合でストレート勝ちを収めるという圧倒的な強さを見せてきた。多彩な戦いぶりを見せてきた松平に許昕戦でも期待が高まったが、惜しくも敗れメダル獲得はならなかった。
多彩な戦術・技術を見せた松平
松平に翻弄される場面もあったが迷わずに攻めきった
許昕(中国)8,-9,-6,12,5,8 松平(日本)
静かな立ち上がりで、激しい打ち合いにはならないが、松平が許昕をゆるいボールで振り回したり、あえてカウンターせずにブロックで連打させるなど様々な手口を探っている様子。第1ゲームを8-11で失うが、松平は強気な表情を保っている。
第2ゲームは落ち着いてプレーする松平が許昕のボールを確実に止めて、リードを挽回し11-9と取り返す。
第3ゲーム、エンジンのかかってきた松平のカウンター攻撃が決まり出す。エッジなども手伝って8-4とリード。許昕の連続レシーブミスで、11-6。
第4ゲーム、攻める許昕が調子を上げてきた。ロングサービスも効いて7-3とリード。ここから松平が連取して6-7と迫ったところで、中国がタイムアウト。ネットインしたボールを松平が決めて7-7に追いつく。9-10とゲームポイントを握られるが、許昕のフォアハンドドライブをブロックで振り回しジュースに。松平のサービスが長くなったところを狙われる。最後は許昕の3球目攻撃を松平がブロックミスして12-14で2-2に。
勝負を分ける第5ゲームは一進一退の攻防が続くが、攻めている許昕が7-4とリード。許昕が11-5と逃げ切り、メダルに王手。
松平は後がない第6ゲームは互角のラリー。松平の4-2リードから許昕のネットインで4-5と逆転されたところで倉嶋監督のタイムアウト。松平は攻めさせて止める展開ではやはり限界があるのだろう。最後でわずかな力の差が出て11-8で許昕が松平を下した。
しかし、馬琳、江宏傑、サムソノフ、許昕らを相手に多彩な戦いを見せた松平にこれからの可能性はまだまだある。日本がシングルスでメダルを取る日は遠くないだろう。
■倉嶋監督&松平健太インタビュー
「ブロックに徹底しすぎて、カウンターのチャンスを逃した部分がありますが、相手のボールの質が高く、仕方ないと思います。許昕も100パーセントの集中力で来ました。4ゲーム目のジュースが勝負でしたが、うまくコースを突かれたイメージです。(中国に負けたが、これまでとは)負け方が違うと思います。中国に危ないと思わせるような負け方でした。健太は半年ほど前からいつ結果を出してもおかしくないと思っていましたが、それが今回でした。高い意識でやっていますから、驚いてはいません。フィジカルも強くなり、『もっと動ける、もっと振れる』という感覚が出てきていると思います。
(今大会を終え)お世話になった方々に感謝するとともに、反省もありますので、気を引き締めます。来年の東京大会はもっとプレッシャーがかかってくると思いますので、体力に加え精神力も鍛えていきます。(2009年の)横浜から(2011年の)ロッテルダムでは技術の変化が大きかったですが、今回はあまり際立った変化は見られませんでした。その点も踏まえ、強化につなげます」と倉嶋洋介監督。
「勝てたチャンスがあったのに、1本、2本を逃しました。悔しいです。4ゲーム目に3対7から逆転しましたが、ずっと相手にゲームポイントを取られていて苦しかったです。自分かゲームポイントを取ったときに出すサービスをイメージしていましたが、(その機会が来ず)出せませんでした。
ブロックで揺さぶるのが1番です。カウンターしても、相手のボールが速いので、(カウンターを)ミスしてしまいます。ブロックせざるを得ない部分もありますし、ブロックは僕の技なので使ったともいえます。相手がフォアサイドから打った球は僕のバック側に食い込んできて、回り込めませんでした。回り込めれば、もっと違ったかもしれません。
1、2ゲームの途中まで自分の感覚で打てていませんでしたが、追い上げてから自分の感覚になって、やりやすくなりました。全部自分の感覚でプレーできるようになりました。5ゲーム目でサービスを工夫したことが裏目に出ました。いろいろなサービスを出して、長短が(正確に)出せませんでした。
許昕選手はいつもあんな感じで、(僕が)ブロックすると向こうにミスが出て焦ってくれます。許昕選手には毎回手応えを感じていますが、いつも競って負けて、また同じことをして悔しいです。(今回の出来は)90点。勝てる試合を逃しました。4ゲームを取れなかったのがマイナス10点です」と松平健太。
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試合の詳細な記録は下記サイトをご覧ください。
国際卓球連盟 公式HP:http://www.ittf.com
メダルのチャンスはあったがベスト8を祝福したい
許昕(中国)8,-9,-6,12,5,8 松平(日本)
静かな立ち上がりで、激しい打ち合いにはならないが、松平が許昕をゆるいボールで振り回したり、あえてカウンターせずにブロックで連打させるなど様々な手口を探っている様子。第1ゲームを8-11で失うが、松平は強気な表情を保っている。
第2ゲームは落ち着いてプレーする松平が許昕のボールを確実に止めて、リードを挽回し11-9と取り返す。
第3ゲーム、エンジンのかかってきた松平のカウンター攻撃が決まり出す。エッジなども手伝って8-4とリード。許昕の連続レシーブミスで、11-6。
第4ゲーム、攻める許昕が調子を上げてきた。ロングサービスも効いて7-3とリード。ここから松平が連取して6-7と迫ったところで、中国がタイムアウト。ネットインしたボールを松平が決めて7-7に追いつく。9-10とゲームポイントを握られるが、許昕のフォアハンドドライブをブロックで振り回しジュースに。松平のサービスが長くなったところを狙われる。最後は許昕の3球目攻撃を松平がブロックミスして12-14で2-2に。
勝負を分ける第5ゲームは一進一退の攻防が続くが、攻めている許昕が7-4とリード。許昕が11-5と逃げ切り、メダルに王手。
松平は後がない第6ゲームは互角のラリー。松平の4-2リードから許昕のネットインで4-5と逆転されたところで倉嶋監督のタイムアウト。松平は攻めさせて止める展開ではやはり限界があるのだろう。最後でわずかな力の差が出て11-8で許昕が松平を下した。
しかし、馬琳、江宏傑、サムソノフ、許昕らを相手に多彩な戦いを見せた松平にこれからの可能性はまだまだある。日本がシングルスでメダルを取る日は遠くないだろう。
■倉嶋監督&松平健太インタビュー
「ブロックに徹底しすぎて、カウンターのチャンスを逃した部分がありますが、相手のボールの質が高く、仕方ないと思います。許昕も100パーセントの集中力で来ました。4ゲーム目のジュースが勝負でしたが、うまくコースを突かれたイメージです。(中国に負けたが、これまでとは)負け方が違うと思います。中国に危ないと思わせるような負け方でした。健太は半年ほど前からいつ結果を出してもおかしくないと思っていましたが、それが今回でした。高い意識でやっていますから、驚いてはいません。フィジカルも強くなり、『もっと動ける、もっと振れる』という感覚が出てきていると思います。
(今大会を終え)お世話になった方々に感謝するとともに、反省もありますので、気を引き締めます。来年の東京大会はもっとプレッシャーがかかってくると思いますので、体力に加え精神力も鍛えていきます。(2009年の)横浜から(2011年の)ロッテルダムでは技術の変化が大きかったですが、今回はあまり際立った変化は見られませんでした。その点も踏まえ、強化につなげます」と倉嶋洋介監督。
「勝てたチャンスがあったのに、1本、2本を逃しました。悔しいです。4ゲーム目に3対7から逆転しましたが、ずっと相手にゲームポイントを取られていて苦しかったです。自分かゲームポイントを取ったときに出すサービスをイメージしていましたが、(その機会が来ず)出せませんでした。
ブロックで揺さぶるのが1番です。カウンターしても、相手のボールが速いので、(カウンターを)ミスしてしまいます。ブロックせざるを得ない部分もありますし、ブロックは僕の技なので使ったともいえます。相手がフォアサイドから打った球は僕のバック側に食い込んできて、回り込めませんでした。回り込めれば、もっと違ったかもしれません。
1、2ゲームの途中まで自分の感覚で打てていませんでしたが、追い上げてから自分の感覚になって、やりやすくなりました。全部自分の感覚でプレーできるようになりました。5ゲーム目でサービスを工夫したことが裏目に出ました。いろいろなサービスを出して、長短が(正確に)出せませんでした。
許昕選手はいつもあんな感じで、(僕が)ブロックすると向こうにミスが出て焦ってくれます。許昕選手には毎回手応えを感じていますが、いつも競って負けて、また同じことをして悔しいです。(今回の出来は)90点。勝てる試合を逃しました。4ゲームを取れなかったのがマイナス10点です」と松平健太。
卓レポ.comでは本サイトのほかにツイッター(https://www.twitter.com/takurepo/)でもリアルタイムの情報を配信しています。是非ご覧ください。
試合の詳細な記録は下記サイトをご覧ください。
国際卓球連盟 公式HP:http://www.ittf.com