第15回全国中学校選抜大会が3月28~29日、島根県立浜山体育館(カミアリーナ/出雲市)で開催された。男子は昨年に続き愛知工業大附属中が決勝で青森山田中を破り2連覇を達成。女子は明徳義塾中が2年ぶりに王座を奪回した。
男子は愛工大附属中と青森山田中という昨年と同じ決勝のカードとなった。愛工大附属中は全中王者の木造をはじめ、髙見、太田、1年生の橋本、田中、宮本という実力者をそろえて危なげなく決勝進出。一方の青森山田中もカデット王者の沼村、カデットダブルス王者の五十嵐・蛭田を擁し、王座を取り戻すべく決勝に勝ち上がってきた。
1番は橋本と月舘の1年生対決を橋本が制し、愛工大附属中が先制。2台進行の2番は木造が大谷を3対1で退け愛知工業大附属が王手。ここでカデット王者の五十嵐・蛭田ペアが踏ん張りを見せて、太田・宮本をやぶるが、4番で髙見が、これまで負け越している沼村に粘り強いラリーで打ち勝ち、愛工大附属中が2連覇を決めた。
3位には、選手とコーチ陣が熱いベンチワークを見せた野田学園中が初の表彰台。同様に、初のベスト4入りを果たした新勢力の浜松修学舎中が入った。
■愛知工業大附属中真田監督のコメント
今回は来る前から青森山田との決勝になるのではないかと予想していました。(青森山田は)メンバーもそろっていますし苦しい戦いになるとは思っていましたので、その中で勝利に結びつけることができたのはうれしいです。
向こうがどのように3点を取りに来るのかということを考えてきましたが、青森山田は予選リーグからいろいろな戦い方をしていたので、五十嵐・蛭田、大谷・月舘の他にもうひとつダブルスがあるんじゃないかという予測を立てて、いろいろなオーダーが頭を駆け巡っていました。そこで、どのようなオーダーでもラストで勝てるように、(コーチの)董さんと決勝のオーダーを考えました。実際の青森山田のオーダーは予想とは違いましたが、4番の髙見が負け越している沼村によく頑張って勝ちに結びつけてくれたと思います。
2年連続の優勝を目標に毎日がんばってきましたが、選手たちが自分のやるべきことを実行して勝ち取った勝利だと思います。この試合が終わったらすぐに切り替えたいですね。自分も選手時代にはそうでしたが、同じチームや選手にずっと優勝を持っていかれるというのは悔しいことです。全国のチームがみんなうちを倒しに来ると思うので、それ以上の努力と、自分たちのやるべきことを実行していきたいと思います。
昨年の夏の全中が終わって、次は選抜だというときから、このチームのメンバーで試合をするのははじめてなのだから、このチームで初優勝を目指す気持ちでがんばろうと言い続けてきました。選手もその気持ちでチャレンジ精神を持ってがんばってくれました。
女子決勝は1昨年優勝の明徳義塾中と1回戦で前回優勝校の武蔵野中を破って決勝まで勝ち上がった明豊中の古豪対決となった。明徳義塾中はカットの佐藤、エースの三村に1回戦から徐々に調子を上げてきたという永目・二宮のダブルスでストレート勝ちの快勝。 2年ぶり4度目の選抜タイトルを手にした。
3位にはエースの笹尾を軸に勝ち上がった横浜隼人中と岡本勝則監督率いる初出場の玖珂中が入った。
■明徳義塾中佐藤監督のコメント
1人ひとり、選手も応援も、出る人も出ない人も、保護者のみなさまの応援も含めて、みんながんばってくれたので、ここで勝てて本当によかったと思うし、それに応えられた選手に感謝したいです。
決勝トーナメントは厳しいブロックに入ったと思っていました。日程的に高校選抜が重なっていたので、出発までに中学生をしっかり仕上げておかないとと思って、良い状態にはしていましたが、ここ数日間はとても心配だったので、今日の朝からの1戦目はすごい大事でした。そこから段々調子を上げていけたのがよかったですね。攻める技術に不安定さがありましたが、どんどん振って振って攻撃させていかないと調子は上がって行かないので、ミスしても必ず入ると思って振らせていました。
結果がどうであれ、どの試合もしんどい試合でした。準々決勝以降は特に厳しかったと思います。1回戦ではダブルスの出来が悪すぎて、練習してきたことが全然できていませんでした。ダブルスを絶対にとるといううちのスタイルがありますが、それが崩れそうな感じが不安でした。流れが徐々にこっちに向かってくるように徐々に1戦1戦仕上げていくために、ダブルスは大事だなと思いました。
あとは謙虚な気持ちで戦ってほしかったので、誰でも決勝戦に勝ち上がっていくことはできない、強い選手でも団体戦で必ず勝ち上がるということはできないのだから、みんなでここにいる人、応援できる幸せ、そこにいられる幸せを感じながら最後の1戦を戦おうねと選手たちに伝えました。
選抜は、夏に向けての通過点なので、ここで感じたもの、感覚をもっと伸ばしていくのと、足りなかったことを夏までに仕上げていくことを肝に銘じて努力していこうということも試合後に伝えました。どこまで来れたかという確認はできたので、これから夏までにどこまで行けるか。今回の優勝で希望が見えたのと思うので、夏までしっかりがんばっていきたいです。
公益財団法人日本卓球協会:http://www.jtta.or.jp
今大会の模様は卓球レポート5月号(4月20日発売)に掲載します。