■女子団体グループリーグ 日本対ベラルーシ
トップの平野は大事な世界選手権大会の初戦でしたが、落ち着いたカット打ちでパブロビッチを破りました。コートを上下左右目一杯使い、台の深くに打球するボール、浅く打球するボールを打ち分けていました。それに加え、回転の強弱や緩急を織り交ぜて、難敵を攻略しました。
また、カット打ちの際にほとんどツッツキを入れることなくドライブを打ち続けることで反撃をさせるチャンスを与えませんでした。対カット主戦型という視点から見て、完璧なプレーだったと思います。
2番の石川はチームのエースとしての重責を担っていますが、固さもなく、実力通りのプレーを見せてくれました。全試合で2得点を挙げるほどの活躍が求められている石川ですが、大事な初戦を充実した内容で締めくくることができたので、不安を残すことなく明日以降もプレーができると思います。
3番の田代は予想していたカット主戦型との対戦ではなく、右シェーク攻撃型のクチュクと対戦。世界選手権大会初出場ということもあり、序盤はレシーブが甘くなったところを、3球目で強打される場面が多くありました。しかし、第2ゲーム以降はレシーブも安定し、相手のリスクを背負った攻撃にも慌てることなく上手く対処して自分の最大限の力を発揮しました。田代が重要な初戦で見せた対応力の高さが逆転勝利につながり、チームを勝利に導きました。
しかし、この勝利の裏にはベンチのアドバイスも大きく影響していたと思います。第1ゲーム終了後、固さのある田代に対してベンチが一体となってアドバイスを送っていました。こうしたアドバイスが世界選手権大会初出場の不安などを取り除き、好プレーを生み出したのではないでしょうか。
団体戦ということもあり、今日の田代の1戦で見られたようなチーム一丸となって試合に臨む姿勢が非常に大切となります。明日以降はこうした部分に注目してみると、より団体戦の醍醐味がわかると思います。
チーム全体としては大事な初戦をとれたことで、自信を持って2戦目にも臨めると思うので、明日以降の日本女子チームの戦いぶりにも注目です。
渋谷浩
平成11年度全日本チャンピオン
1997年世界選手権大会男子ダブルス銅メダリスト
今大会の模様は卓球レポート6月号(5月20日発売)・7月号(6月20日)に掲載
公益財団法人日本卓球協会:http://www.jtta.or.jp
JA全農2014年世界卓球団体選手権東京大会/公式サイト:http://www.2014wtttc.com
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