■男子団体決勝トーナメント準々決勝 日本対ポルトガル
トップの丹羽は予選リーグでも対戦し、苦戦を強いられたフレイタスに対し、フォアハンドを軸にしたプレーへと変更したことで流れを自分に引き寄せました。ブロックでやむを得ずバックハンドを使うときにも、台にボールがついたあとに伸びるような軌道の攻撃的なボールを返球していました。
昨日までは不安定な部分もありましたが、フォアハンド主体の攻撃で相手にチャンスを与えない卓球を見せてくれました。元々、丹羽のフォアハンドのスイングはコースの見分けがつきにくいので、その特長を存分に生かし、広角に打ち分けていました。
またこの試合ではサーブが非常に有効で、サーブから打球点の高い3球目攻撃を次々と決めました。相手にとっては、レシーブから神経を使わなければいけなかったので、非常にやりにくさを感じていたのではないでしょうか。
トップでの出場ということもあり、プレッシャーのかかる1戦となりましたが、最後まで高い集中力を見せ、完勝し、チームに勢いをつけてくれました。
2番の水谷も、予選に引き続いてアポロニアとの対戦になりましたが、技術や戦術を変えることなく、自身の得意な形を出し切りました。第1、第2ゲームを連取し、第3ゲームもリードを許したところから逆転する安定感のある戦いぶりでした。初日から引き続き、キレの良さをみせ、好調を維持しています。
1つ1つのプレーに質の高さを見せていますが、それ以外の部分に目を向けても、粘り強くプレーすることで得点をする場面もあり、1本1本への高い集中力が目立っていました。
3番の松平はここまで波に乗り切れていませんでしたが、この試合では持ち味を十二分に発揮しました。
丹羽、水谷同様、予選で対戦した相手との再戦になりましたが、得意とする両ハンドのブロックからラリーを優位にする形で得点を重ねました。松平選手のブロックは独特で、ブロックする際にボールの上部をとらえるので、台についたあと沈む軌道になります。そのため、相手は非常に連打がしにくく、ブロックからチャンスを作り出す展開へと持ち込むことができます。この試合でも独特のブロックから好機を生み出し、ラリーの主導権を握りました。
予選では回り込んでからのフォアハンドドライブなどで強引な攻撃を仕掛ける形が多く、オープンになったフォア側を突かれて失点するシーンが何度も見られました。その反省点を生かし、台について前陣で両ハンドを振るプレースタイルを最後まで徹底していました。相手にとってはフォア側への攻撃は長所でしたが、松平に腰を据えた両ハンドでの対応をされてしまい、自身の特長を完全に防がれた形になりました。
予選ではなかなか思うように試合を進めることができない場面もありましたが自分の特長を全面に出し、充実したプレーで日本の準決勝進出を決めました。今後の試合においても非常に期待を持たせる内容でした。
これでメダル獲得となりましたが、選手たちにとってメダル獲得は1つの通過点であり、満足する結果ではないと思うので準決勝に向け、それぞれが有効に時間を使い、調整を進めることが大切だと思います。
試合をこなしていくごとに調子が上がっている選手が多くいますが、これは若いチームの特権だと思います。試合内容を見ても、大会を通してそれぞれが強くなっていると感じるので、この後の試合でも、試合とともに成長していき、さらに上位を目指してほしいと思います。
また、今後の試合ではサーブやレシーブに注目して試合を見ると面白いと思います。トップレベルの選手になるほど、回転量やコースが甘いサーブやレシーブは強打をしてラリーの主導権を握るので、サーブやレシーブを厳しいコースへ打球します。準々決勝では出場した日本の3選手はともに、サーブとレシーブが非常に巧みでした。日本代表としては準決勝に向けて、相手にチャンスを与えないサーブやレシーブを徹底することが重要なポイントになるでしょう。
昨日までは不安定な部分もありましたが、フォアハンド主体の攻撃で相手にチャンスを与えない卓球を見せてくれました。元々、丹羽のフォアハンドのスイングはコースの見分けがつきにくいので、その特長を存分に生かし、広角に打ち分けていました。
またこの試合ではサーブが非常に有効で、サーブから打球点の高い3球目攻撃を次々と決めました。相手にとっては、レシーブから神経を使わなければいけなかったので、非常にやりにくさを感じていたのではないでしょうか。
トップでの出場ということもあり、プレッシャーのかかる1戦となりましたが、最後まで高い集中力を見せ、完勝し、チームに勢いをつけてくれました。
2番の水谷も、予選に引き続いてアポロニアとの対戦になりましたが、技術や戦術を変えることなく、自身の得意な形を出し切りました。第1、第2ゲームを連取し、第3ゲームもリードを許したところから逆転する安定感のある戦いぶりでした。初日から引き続き、キレの良さをみせ、好調を維持しています。
1つ1つのプレーに質の高さを見せていますが、それ以外の部分に目を向けても、粘り強くプレーすることで得点をする場面もあり、1本1本への高い集中力が目立っていました。
3番の松平はここまで波に乗り切れていませんでしたが、この試合では持ち味を十二分に発揮しました。
丹羽、水谷同様、予選で対戦した相手との再戦になりましたが、得意とする両ハンドのブロックからラリーを優位にする形で得点を重ねました。松平選手のブロックは独特で、ブロックする際にボールの上部をとらえるので、台についたあと沈む軌道になります。そのため、相手は非常に連打がしにくく、ブロックからチャンスを作り出す展開へと持ち込むことができます。この試合でも独特のブロックから好機を生み出し、ラリーの主導権を握りました。
予選では回り込んでからのフォアハンドドライブなどで強引な攻撃を仕掛ける形が多く、オープンになったフォア側を突かれて失点するシーンが何度も見られました。その反省点を生かし、台について前陣で両ハンドを振るプレースタイルを最後まで徹底していました。相手にとってはフォア側への攻撃は長所でしたが、松平に腰を据えた両ハンドでの対応をされてしまい、自身の特長を完全に防がれた形になりました。
予選ではなかなか思うように試合を進めることができない場面もありましたが自分の特長を全面に出し、充実したプレーで日本の準決勝進出を決めました。今後の試合においても非常に期待を持たせる内容でした。
これでメダル獲得となりましたが、選手たちにとってメダル獲得は1つの通過点であり、満足する結果ではないと思うので準決勝に向け、それぞれが有効に時間を使い、調整を進めることが大切だと思います。
試合をこなしていくごとに調子が上がっている選手が多くいますが、これは若いチームの特権だと思います。試合内容を見ても、大会を通してそれぞれが強くなっていると感じるので、この後の試合でも、試合とともに成長していき、さらに上位を目指してほしいと思います。
また、今後の試合ではサーブやレシーブに注目して試合を見ると面白いと思います。トップレベルの選手になるほど、回転量やコースが甘いサーブやレシーブは強打をしてラリーの主導権を握るので、サーブやレシーブを厳しいコースへ打球します。準々決勝では出場した日本の3選手はともに、サーブとレシーブが非常に巧みでした。日本代表としては準決勝に向けて、相手にチャンスを与えないサーブやレシーブを徹底することが重要なポイントになるでしょう。
渋谷浩
平成11年度全日本チャンピオン
1997年世界選手権大会男子ダブルス銅メダリスト
今大会の模様は卓球レポート6月号(5月20日発売)・7月号(6月20日)に掲載
公益財団法人日本卓球協会:http://www.jtta.or.jp
JA全農2014年世界卓球団体選手権東京大会/公式サイト:http://www.2014wtttc.com
国際卓球連盟(ITTF)世界卓球2014東京:
http://www.ittf.com/competitions/competitions2.asp?Competition_ID=2278&category=WTTC