男子シングルス準々決勝は、吉田(愛知工業大)がインフルエンザで発熱のために棄権し、丹羽が不戦勝。3試合が行われ、水谷、岸川、神がベスト4に勝ち上がった。
水谷(beacon.LAB) 13-11,11-4,11-8,10-12,11-7 吉村(愛知工業大)
両者いい動きを見せる中、吉村が11-10とゲームポイントを握るも水谷が逆転で第1ゲームを先取。ラリーに強い両者が観客を沸かせる場面もあったが、ミスのない水谷がリードを広げ11-4。第3ゲームは中盤まで吉村がリードするが、水谷が固いブロックで6-6に追いつき、下がらずにプレーした水谷が11-8と準決勝進出にリーチ。第4ゲームも水谷ペースで進み、5-3とリードされたところで吉村がタイムアウト。水谷がミスの少ないプレーで10-9とマッチポイントを握るが、吉村がラリーから鋭いドライブで得点を重ね逆転、1対3とした。第5ゲームは水谷が王者らしい貫禄のある戦いぶりで吉村を退け、3年前の決勝のリベンジを果たした。
■吉村真晴のコメント
「全体的に後手に回ったのもあって、凡ミスや攻めてもブロックやフィッシュで詰められる場合があって、そこが苦しかったかなと思います。
全日本ということで水谷さんもすごく気合いが入ってましたし、こういう舞台でまた戦えたということは自分にとってもよかったです。また一から頑張ります!」
岸川(ファースト) 9-11,5-11,11-9,12-10,11-8,12-10 松平(JTB)
お互いに手の内を知り合った2人の対戦は2年前の全日本男子シングルス準々決勝以来の対戦。そのときは松平がゲームオールジュースの熱戦を制して準決勝に進出している。この試合では、松平は得意の速い攻めで威力のある両ハンドドライブをワイドに打ち分け、2ゲームを先取。第3ゲーム、ラリーで安定感のある岸川がリード。9-8と迫られたところで岸川がタイムアウトをとり、岸川が攻めきってこのゲームを返す。第4ゲーム、松平のリードで進むが、終盤で岸川が粘り強く松平の攻撃をしのいで逆転。松平もしゃがみ込みサービスを使ってジュースに持ち込むが、松平の攻撃に対応した岸川が12-10とし、2ゲーム連取。第5ゲームも点差の開かないクロスゲームとなるが、サービス、レシーブで先手を取った岸川が終盤でリード。松平のカウンターを狙い打つなど読みのよさを見せて11-で岸川が逆転。第6ゲームも一進一退の攻防となるが、中盤岸川がリードする展開を、松平が9-9に追いつく。松平のストップミスでマッチポイントを握った岸川だが、レシーブミスでジュースに。最後はバック対バックのラリーから鋭くストレートを突いた岸川のボールを松平がネットにかけて岸川が逆転勝利を収めた。
■松平健太のコメント
「最後の方で負け始めてからは、戦術が偏ってしまいました。レシーブを相手がいろいろと工夫してきて、それに対応することができませんでした。1,2ゲーム目はレシーブからの展開でも得点できていましたが、3ゲーム目からは、岸川さんがサービスを変えてきてレシーブからの得点率が減って、サービスからの展開も苦しくなってしまいました」
神(明治大) 11-9,11-9,11-9,11-3 吉田(Global Athlete Project)
激しい打撃戦が期待された吉田対神だが、効果的に吉田のバック側を狙った神が第1ゲームを先取。神のサービスに対応できない吉田は続く第2、第3ゲームでも粘り強さは見せながらも得意のフォアハンドドライブを披露することなく神が3対0とリード。第4ゲームは波に乗った神が吉田のドライブにもカウンターを決めるなど好プレーを連発し11-3で元全日本王者を退け、初のベスト4進出を決めた。
■吉田海偉のコメント
「相手は調子がよかったし、強かったです。自分の戦術もできませんでした。会場が昨日と違って暗いのが気になりましたが、1,2,3ゲームで9本で負けて集中力が切れてしまいました。相手は勢いもあって向かってきましたが、自分は逆にプレッシャーを感じてしまいましたね」
丹羽(明治大) 不戦勝 吉田(愛知工業大)
吉田がインフルエンザで発熱のため棄権。因縁の同級生対決で好試合が期待されただけに悔やまれる。
詳しい情報は日本卓球協会ホームページに掲載されています。
日本卓球協会:http:/www.jtta.or.jp
全日本卓球(特設サイト):http://japantabletennis.com/zennihon2015/
記録ページ:http://www.jtta.or.jp/AJ/result2014/
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全日本選手権大会の特集は卓球レポート3月号(2月20日発売号)に掲載します。