3月7~8日に大阪市舞洲障害者スポーツセンター(アミティ舞洲)で第35回ジャパン・オープン肢体不自由者選手権大会が開催された。今大会は昨年に続き、立位の部、車いすの部の中でG1、G2と階級を2つに分けて試合が行われ、出場者たちが頂点を争った。
【個人戦・車いすの部】
車いす男子の部G1はこれまで通算26度の優勝を誇り、今大会も優勝候補筆頭の岡紀彦(岡山)が敗れる波乱があった。岡は予選リーグを通過したものの、準々決勝で長島秀明(東京)にストレート負け。絶対王者として君臨し続けてきたが、勝ち続けることの難しさを感じさせる試合になった。
優勝は一昨年の覇者の吉田信一(東京)。予選リーグの第1試合こそ、苦戦を強いられた吉田だったが、試合を重ねるにつれて調子を上げた。決勝では得意のバックハンド強打で試合を優位に進め、普段から練習を共にする長島に3対1で勝利した。
車いす女子の部G1は別所キミヱ(香川)が全試合ストレート勝ちと女王の貫禄を見せて4連覇を飾った。決勝戦は、石橋栄(大阪)の粘りに苦しむ場面もあったが、緩急をつけたプレーで揺さぶり、競り合いを物にした。
車いす男子G2の部では鋭いバックハンドドライブで勝ち進んだ渡邊剛(東京)が初優勝。決勝戦でも力強い攻撃で試合のペースを握り、チャンピオンの座をつかんだ。
車いす女子G2の部のチャンピオンは須藤泰子(愛知)。接戦が続いた予選リーグを勝ち上がると、決勝リーグではフォアハンドでの攻撃がさえわたり、見事初優勝を果たした。
【個人戦・立位の部】
立位男子の部G1は永下尚也(福井)が新チャンピオンに輝いた。昨年2位と悔し涙を飲んだ永下は、今大会に向けて、課題としているバックハンドの強化に務めた。試合では練習の成果を発揮し、バックハンドから好機をつくり出し、フォアハンドで決める形が光った。
立位女子の部G1では小田美賀子(福岡)が新女王になった。準決勝では前回覇者の工藤恭子(熊本)と対戦し、最終ゲームまでもつれる接戦を我慢強いプレーで乗り切った。大会を通して、終始、精度の高い両ハンドを見せて、強敵を連破した。
立位男子の部G2は安立剛(東京)が頂点に立った。異質ラバーを駆使した巧みなプレーで勝ち上がると、決勝でも変幻自在のプレーで勝利をつかんだ。
立位女子の部G2は鈴木玉乃(静岡)がリズムよく攻めて初優勝。予選リーグを全試合ストレート勝ちすると、決勝トーナメントでもその勢いを持続して、王座についた。
【団体戦】
団体戦車いす混成の部では、個人戦車いす男子の部G1で決勝進出の吉田、長島を擁するティスタンスに勝利した静身障卓友会(茶田ゆきみ・土井健太郎・土井康太郎)が優勝。団体戦立位男子の部はForce-LeavesB(本多利行・板井淳記・寺本健太郎・垣田斉明)が優勝。決勝ではForce-LeavesAとの同士打ちを制した。団体戦立位女子の部は北卓会(時耕佐知子・青木佑季・藤岡明美)が優勝。準決勝、決勝と九州勢を連破して頂点に立った。
【各種目・上位の結果】
■個人戦・車いす男子の部G1
優勝 吉田信一(東京)
2位 長島秀明(東京)
3位 宇津木孝章(香川)
3位 藤井和彦(東京)
■個人戦・車いす男子の部G2
優勝 渡邊剛(東京)
2位 佐竹三雄(大阪)
3位 東条隆一(香川)
■個人戦・車いす女子の部G1
優勝 別所キミヱ(香川)
2位 石橋栄(大阪)
3位 藤森亜利砂(神奈川)
3位 吉海美代子(東京)
■個人戦・車いす女子の部G2
優勝 須藤泰子(茨城)
2位 森ふさ(京都)
3位 森澤千代子(香川)
■個人戦・立位男子の部G1
優勝 永下尚也(福井)
2位 谷口英雄(山口)
3位 中島拓哉(愛知)
3位 垣田斉明(熊本)
■個人戦・立位男子の部G2
優勝 安立剛(東京)
2位 宿野部拓海(神奈川)
3位 玉井英雄(愛知)
3位 森田秀樹(香川)
■個人戦・立位女子の部G1
優勝 小田美賀子(福岡)
2位 赤坂美千代(福岡)
3位 工藤恭子(熊本)
3位 時耕佐知子(北海道)
■個人戦・立位女子の部G2
優勝 鈴木玉乃(静岡)
2位 丸山ひより(埼玉)
3位 友野有理(兵庫)
3位 柾谷はつ子(神奈川)
■団体戦・車いす混成の部
優勝 静身障卓友会(茶田・土井健・土井康)
2位 ディスタンス(長島・渡邊・吉田)
3位 Y・O(岡・野稲・中本・河津)
3位 四国B(東条・岡田・渡部)
■団体戦・立位男子の部
優勝 Force-LeavesB(本多・板井・寺本・垣田)
2位 Force-LeavesA(鈴木・宮脇・井上・立石)
3位 ディスタンス(武田・佐藤・岩渕)
3位 長居卓友会A(井上・久米・玉置・笠川)
■団体戦・立位女子の部
優勝 北卓会(時耕・青木・藤岡)
2位 九州障害者卓球連盟A(工藤・櫨山・小田)
3位 九州障害者卓球連盟B(網屋・吉開・赤坂)
3位 Y・O (中川・深野・斉藤・益田)
今大会の模様は卓球レポート5月号(4月20日発売)に掲載します。