世界卓球2015蘇州、男子シングルス3回戦。男子シングルスに日本勢で勝ち残った2選手、水谷と丹羽はともに3回戦で勝利を挙げ、ベスト16入りを決めた。水谷は昨日のカルデラーノ戦に続き、九死に一生を得る辛勝で4回戦に駒を進めた。
<男子シングルス3回戦>
水谷 -4,-9,6,4,-10,9, 鄭栄植(韓国)
丹羽 -8,-2,7,3,6,3 江天一(香港)
水谷は韓国の鄭栄植と対戦。1ゲーム目は鄭栄植の思い切りのいい前陣両ハンドで先制。第2ゲーム、鄭栄植はサービスで2本のフォルトを取られるが、攻め手を欠いた水谷に対して鄭栄植はレシーブからチキータで攻めるなど勝負強さも見せて2ゲーム連取。
鄭栄植をこれ以上波に乗せたくない水谷は、相手のバック側にボールを集めて先にフォアハンドを振る展開で取り返し1対2。第4ゲーム、硬さが取れてきた水谷は、攻守で冴えわたり11-4とし、2対2に追いつく。
第5ゲームは後ろからロビング、フィッシュなどで得点する水谷らしいプレーも出るが、鄭栄植に先に攻められる展開で9-6リードからゲームポイントを逃して逆転を許す。3対2で鄭栄植が王手。後がなくなった水谷は集中力の高いプレーでネットにかかったボールを拾うなどして6-1とリード。鄭栄植もバックハンドからの展開でチャンスをつくり9-9まで追い上げるが、水谷がチキータでレシーブエースを決めて11-9。勝負は最終ゲームに。
第7ゲームは1-3とリードされるが、足を使ったプレーで5対3と逆転でチェンジコート。鄭栄植も強気のプレーで4点連取で再びリード。ストップをミスするも強気のバックハンドでエース。7-8と1点差に迫るも鄭栄植が台上で先手を取って10-7とマッチポイント。水谷は粘り強いプレーで3本連取。10-10からネットインしたボールに神業的なタッチで返球して水谷がマッチポイント。レシーブでナックルドライブを鄭栄植が落として再びマッチポイント。最後は水谷のフォアハンドドライブが決まり、2日続けての薄氷を踏むような勝利を呼び寄せた。
奇跡的逆転の勝因を尋ねられた水谷は「最終ゲームであきらめずに点数を取れたのが何本かあったので7-10という挽回可能な点数になっていたんだと思います」と語った。
香港の江天一とのサウスポー対決となった丹羽は、第1、第2ゲームとも切れのある江天一に対して淡々としたプレーで冴えをみせることなく落としたが、ほとんどラリーにしない丹羽のペースで第3、第4ゲームを取り返すと、そのままの勢いで4ゲーム連取しあっさりとベスト16入りを決めた。
自分の試合の前に同じコートで行われていた水谷の試合に見入っていたため、1ゲーム目は足が動かなかったという丹羽だが、「水谷さんや森薗、大島さんの試合を見て感動したので、自分もあんな試合がしたい」とクールに語った。
今大会の模様は卓球レポート6月号(5月20日発売)に掲載
公益財団法人日本卓球協会:http://www.jtta.or.jp
世界卓球2015蘇州/公式サイト(中国語/英語):http://www.suzhou2015.org/
国際卓球連盟(ITTF)世界卓球2015蘇州(英語):
http://www.ittf.com/competitions/competitions2.asp?Competition_ID=2503&category=WTTC