世界卓球2015蘇州最終日、男子シングルスは準決勝と決勝が行われる。中国勢がベスト4を独占した男子シングルスだが、いずれもハイレベルな戦いが予想された。第1試合の馬龍対樊振東は先輩の馬龍が経験の差を見せて18歳の樊振東の快進撃を止めた。
<男子シングルス準決勝>
馬龍(中国) 1,7,8,-7,5 樊振東(中国)
激しい打撃戦の予想された一戦だが、経験の差が出る展開となった。0-0から回り込んでフォアハンドを打とうとした樊振東の逆をついて馬龍がバックストレートにプッシュ。樊振東の足を止めた。さらに馬龍はサービスを持つとミドルにロングサービス。チキータの準備をしていた樊振東はレシーブミス。いきなり出鼻をくじかれる形になった樊振東はフォアハンドで攻める自分の形に持ち込めず、一気に9-0と馬龍がリード。11-1で馬龍が先制。
第2ゲームは逆に樊振東が馬龍のフォア側を攻める。しかし、馬龍の方が先にフォアハンドで攻めるチャンスをつくり、11-7と馬龍が連取。第1ゲーム出だしの馬龍の先制攻撃が効いていて、樊振東は自分のペースがつかめていない様子。
第3ゲーム、ようやくエンジンのかかってきた樊振東がパワフルな両ハンドの豪打を見せるが、馬龍はレシーブで樊振東のサービスが台から出たのを見逃さずに攻撃して先手を取る。両者の攻防が白熱してきた。8-8から樊振東が3球目フォアハンド攻撃をミスして、次のポイントも馬龍がフォアの打ち合いを制してゲームポイント。馬龍のストップに台上バックハンドを放った樊振東のボールがネットにかかり11-8で馬龍が3ゲーム連取で決勝進出に王手。
第4ゲーム、馬龍は樊振東の逆横回転サービスに対して、チキータ、フリック、流しレシーブなどで対応し、樊振東の3球目攻撃を封じる。しかし、一度フォアの打ち合いに持ち込んでしまえば、樊振東に分がある。樊振東の6-4リードから、レシーブのチキータをミスして6-6と追いつかれたところで樊振東がタイムアウト。樊振東はバックハンドで2得点するが、チャンスボールをミスして8-7。低い姿勢からバッククロスに力強いバックハンドドライブで先手を取ってフォアクロスに決める樊振東らしいポイント。気圧された馬龍がミスをして、樊振東に初めてのゲームポイント。馬龍はストップをネットにかけて樊振東が1ゲーム返した。
ようやくエンジンのかかってきた樊振東だが、馬龍も甘いサービスを見逃さずにレシーブエース。声を出してラストスパートをかける馬龍はバック対バックで樊振東のバックサイドにボールを集めて、一気に8-2と突き放す。覇気のなくなった樊振東に連続攻撃でたたみかけマッチポイントを握った。その後、勝ちを意識したか2本ミスが続いて10-5となったところで馬龍がタイムアウト。最後は樊振東がバックハンドをネットにかけ11-6。同士打ちに泣き続けた馬龍が初の決勝進出を決めた。
これまで実力ではナンバーワンを謳われながらも王皓らにその強さの発揮を封じられてきた馬龍が、今度は後輩に対してクレバーな戦いを見せるという成長を見せた。
今大会の模様は卓球レポート6月号(5月20日発売)に掲載
公益財団法人日本卓球協会:http://www.jtta.or.jp
世界卓球2015蘇州/公式サイト(中国語/英語):http://www.suzhou2015.org/
国際卓球連盟(ITTF)世界卓球2015蘇州(英語):
http://www.ittf.com/competitions/competitions2.asp?Competition_ID=2503&category=WTTC