【男子シングルス】 上田仁が初優勝
男子シングルスは社会人2年目の上田仁(協和発酵キリン)が初優勝を遂げた。昨年は足の負傷でこの大会を欠場し、今回が実質的な初出場になった上田。その無念を晴らすかのような攻めのプレーで優勝へと突き進んだ。動きのキレや打球の質の高さは出場選手の中でも抜きん出ており、文句なしの優勝といっていいだろう。
●上田選手インタビュー
「去年はけがで出場できなくて今回が初出場だったのですが、会社の名前を背負ってプレーするというのはプレッシャーがある半面、やりがいを感じます。会社の方々や卓球部OBの方々のバックアップはとてもありがたいですし、感謝しています。プレー内容的には、チキータ一辺倒になるのではなく、ストップを混ぜながらチキータを効果的に使えたことがよかったと思います」
準優勝は、開催地・石川県出身の森田侑樹(シチズン)。豪快な両ハンドドライブで大矢(東京アート)、同僚の神(シチズン)ら難敵を打ち破り、地元の声援に応えた。
3位にはルーキーの神巧也と試合巧者のベテラン・水野裕哉(東京アート)が入賞した。
【女子シングルス】 天野優が初優勝
女子シングルスは天野優(サンリツ)が初優勝を果たした。市川(日立化成)との5回戦で敗戦寸前まで追い込まれたが、そこを切り抜けてから勢いに乗った。サービスからの3球目と表ソフトラバーから繰り出すバックハンドで3連覇を目指す同僚の阿部(サンリツ)、宋(中国電力)を連破。決勝の森薗(サンリツ)に対しても集中力の高いプレーで圧倒し、女子ダブルスに続いて2冠を達成した。
●天野選手インタビュー
「大会前は精神的に悩んでいて、『初心に返って自分の卓球をしよう』と思って今大会に臨みました。支えていただいている人たちに少しでも喜んでもらえるようにプレーした結果が優勝につながったので、今まで卓球してきた中で1番うれしかったです。大会前の練習で、いろいろなことをやろうとせずに、自分の特長であるサービスからの3球目を徹底して練習してきたことがよかったと思います」
2位にはルーキーの森薗美月が勝ち上がった。決勝の天野に対しては速さで及ばなかったが、小柄ながら躍動感あふれる両ハンドで強豪を連破。準々決勝・前田(日本生命)とのハイレベルな社会人ルーキー対決は見応えがあった。
3位には裏面打法を駆使する宋恵佳と、ベテランらしい粘り強いプレーで勝ち上がった河村茉依(アスモ)が入った。
【男子ダブルス】松平賢二・上田仁が初優勝
男子ダブルスは松平・上田(協和発酵キリン)が初優勝。決勝では張・高木和(東京アート)にゲームカウント2対0から2対2に追いつかれる嫌な展開になったが、最終ゲームに思い切ったチキータレシーブを連発してスタートダッシュを決め、優勝を勝ち取った。
【女子ダブルス】天野優・中島未早希が2連覇
女子ダブルスは天野・中島(サンリツ)が制し、昨年に続いて2連覇を達成した。昨年の優勝で自信を深めたことでコンビネーションがさらによくなり、他を圧倒した。2位に入った鳥居・藤井(愛媛銀行)は、鳥居の速攻と藤井のパワーがうまくかみ合っていた。
日本卓球協会:http://www.jtta.or.jp
今大会の模様は卓球レポート12月号(11/20発売)に掲載されます。