世界卓球2016クアラルンプールでは、全日本チャンピオンの座に2度輝き、日本代表としても活躍した梅村礼がその鋭い目で見た世界卓球を語ってもらう。その第1弾として、初戦のチェコ戦を白星で飾った日本女子について聞いた。
日本は初戦なので、ベストメンバーで調子を上げていこうという作戦だったと思います。
トップバッターの福原の相手のマテロバはこの直前に行われたブンデスリーガの試合でドイツの1番手のP.ゾルヤに3対0で勝っていて調子を上げてきている選手でした。お互いに初戦なので競るかと思っていましたが、福原が格の違いを見せた試合内容でした。ヨーロッパは表ソフトが苦手な選手が多いんですが、マテロバはかなり対応力がある方です。それでも福原はしっかり自分のボールにして相手を振り回していたので、これから調子を上げていく上でもいい内容の試合だったと思います。
石川はちょっと硬かったという印象を受けました。バチェノフスカはヨーロッパの選手にしては緩急をしっかり使いこなせる方です。本来であれば、石川が先手を取って相手を振り回していかなければいけないところですが、先に緩急をつけられて失点するという場面が見られました。しかし、最後はしっかり我慢して勝ったという試合内容でした。まだまだ本調子という感じではありませんでしたが、これから試合は続いていくので、こういう厳しい試合をものにできると調子は上がっていくと思います。
伊藤と対戦したチェホバは先週末に行われたブンデスリーガの試合で、加藤美優にストレートで勝っています。そのときはヨーロッパとしてはテンポの速いバック対バックで先手を取っていましたが、伊藤のバック面の表ソフトラバーには合わせることができませんでした。伊藤はうまく緩急をつけて、レシーブでも前後を使い分けて、15歳とは思えない安定した戦いぶりでした。これからいい流れになっていくんじゃないでしょうか。
次はブラジル戦ですが、試合を見ていて中国系のグイはバックハンドが固かったので、日本は誰を起用するかわかりませんが、緩急をつけて崩して欲しいですね。
会場はエアコンが効いていてかなりボールが流れているようです。そうしたコンディションの見極めも調子を上げていく上では大事なポイントです。その点、同じコート(テレビコートの第3コート)で試合できる日本チームには有利でもあると思います。
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今大会の模様は卓球レポート4月号(3月20日発売)に掲載
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世界卓球2016クアラルンプール/公式サイト(英語):http://www.perfectwttc2016.com.my/
国際卓球連盟(ITTF)世界卓球2016クアラルンプール(英語):
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