世界卓球2016クアラルンプール(2月28日~3月6日)大会3日目は16時30分(日本時間17時30分)から日本女子がタイと対戦。福原、浜本らがしっかりと勝ち星を重ねて3対0で勝利。第1ステージ突破を決めた。
<女子団体第1ステージ>
日本 3-0 タイ
○福原 6,1,-9,9 サウェッタブット
○伊藤 -8,5,3,-4,5 コムウォン
○浜本 9,6,-8,5 ケトゥクワン
伊藤 ー サウェッタブット
福原 ー コムウォン
昨日、難敵の朝鮮民主主義人民共和国を3対0で破るなど、順調に勝ち星を重ねる日本女子チーム。大会3日目はジュニア世代の成長が目覚ましいタイとの一戦に臨んだ。
1番は福原対サウェッタブットの戦い。昨年のアジア選手権大会で対戦したときは福原が勝利を収めている。
第1ゲームはサウェッタブットがドライブミスを続けるのに対して、福原は丁寧なプレーで得点を重ねた。終盤にはサウェッタブットのバック側を突いて、オープンになったフォア側へボールを回すなど、良い展開で第1ゲームを先取した。
第2ゲームは序盤から福原が6連続得点を挙げるなど、怒濤の攻撃でサウェッタブットを引き離した。サービスからの展開もよく、相手の攻撃にもしっかりと対応してゲームを連取した。
迎えた第3ゲーム、後がないサウェッタブットは序盤、フォアの強打を決めるなど決死のプレーで福原に迫った。それに対して福原は冷静に対応し、リードを広げた。このまま決め切るかに思われたが、終盤勝ちを意識したか福原にミスが目立ち、9-11でこのゲームを落とした。
第4ゲームは、福原のサービスや変化をつけたプレーに対応し始めたサウェッタブットが思い切りの良いプレーで得点を挙げ、中盤までリードをしてゲームを展開した。苦しい展開の福原だったが、要所で緩いドライブをサウェッタブットのミドルに決めるなど緩急をつけた攻撃で逆転勝ち。日本に先制点をもたらした。
2番は伊藤対コムウォン。初対戦となった両者による第1ゲームはコムウォンが伊藤の甘いレシーブを見逃さずに強打して得点を挙げ、第1ゲームを先取した。
第2ゲームはコムウォンのフットワークを生かしたドライブに苦戦した伊藤だが、相手の強打をブロックするなど、リズムをつかみ出して11-5でゲームを取り返した。
第3ゲーム、流れに乗りたい伊藤はコムウォンの攻撃に的確に対応。相手の強打にも落ち着いてブロックでコースを突くなど、相手に攻撃の隙を与えずに11-3でゲームを連取した。
一気にゲームを奪いたい伊藤だったが、第4ゲームは出足からミスが目立ち、7連続得点を許した。相手の強打をカウンターするなど迫ったが、4-11でこのゲームを落とした。
最終ゲームは伊藤がコムウォンのドライブ攻撃をブロックでうまく交わして得点を挙げるなど、序盤でリードを広げたが、コムウォンも粘りを見せて息詰まる展開となった。6-5で日本ベンチがタイムアウトをとると、その後は伊藤が躍動。コムウォンとの激しい打ち合いを制すなど5連続得点でゲームオールの激闘を制した。
勝利まであと1勝とした日本は3番で浜本を起用。第1ゲーム序盤は浜本がサービスからの展開で得点を挙げて5-1とリードするも、ケトゥクワンも浜本の攻撃に対応。中盤から終盤にかけては浜本のフォアハンドにもミスが出始めてきっ抗した展開となったが、ループドライブを織り交ぜた攻撃で相手のミスを誘い11-9で先制した。
続く第2ゲーム、浜本は相手のミドル攻めにもしっかりと反応するなど、高い対応力を見せてラリー戦を制した。自身のサービスからの展開も良く、相手に的を絞らせないプレーで第2ゲームを連取した。
第3ゲームは序盤にミスが続き、リードを許した浜本だったが、徐々にケトゥクワンに迫った。しかし、ケトゥクワンが8-7リードで迎えたタイムアウト後に落ち着きを取り戻し、このゲームを奪取。浜本が1ゲームを奪われた。
いやな流れとなった浜本だが、第4ゲームは中盤からループドライブを織り交ぜた攻撃で相手を圧倒。11-5で勝利し、日本の第1ステージ突破を決めた。
日本女子は大会4日目の明日、19時30分から第1ステージ1位突破をかけてドイツと対戦する。
■村上監督のコメント
福原は第3ゲームを逆転で取られたときは危ないとは思いました。相手がボールに慣れてきてミスをしなくなってきたときに、福原は自分から攻めてミスをしてしまうことが多かったのですが、いろいろな技で乗り切れたかなという感じでした。
伊藤の対戦相手は対表ソフトラバーの選手には強いと思っていましたが、それでもそういった選手にも勝たないといけないと思い、伊藤を起用しました。その中で、いろいろなサービスを駆使して振り切ったことは成果だと思います。(2対2の)6-5のでのタイムアウトはサービス権がこちらに1本あり、7対5にすることができれば勝てると思いタイムアウトをとりました。ベンチの選手を含めた全員でサービスの種類と組み立てを考え、相手にツッツキをさせないようなサービスを出すことを決めました。その結果、タイムアウト後はサービスを持ったときにすべて得点することができました。ゲームの流れの中で一番良いサービスを選択できたこと、選択したプレーを伊藤が実行できたことは感心しますね。
浜本は接戦で勝つことが多いのですが、落ち着いていたと思います。浜本らしく先にミスをせず、コツコツ地道に得点を重ねられたのが良かったと思います。ストップを多用せず、ミドルへ深いツッツキを送ったことが勝利につながったと思います。以前までは精神的に不安定だったのですが、それを克服したことで安定した成績が出せるようになっていると思います。
オーダーはドイツ戦のことを考えて、休ませる選手は休ませて明日、ベストな状態で臨めるようにしました。明日のドイツ戦に勝てば1位なので明日が一番重要な試合だと思います
■福原選手のコメント
(3ゲーム目を奪われて)嫌な流れになりましたが、4ゲーム目を取ることができたので良かったかなと思います。こういった厳しい戦いを経験をしないと、ドイツ戦や決勝トーナメントなど、5ゲーム目までもつれるのが当たり前になってくると思うので、今日このような試合ができたのは収穫かなと思います。ゲーム間のアドバイスで、サービスのコースやラリーで打つコースなどを監督や各選手が教えてくれたので、そういった部分に気を付けながらプレーしました。一戦一戦、戦いながら調子が上がってきていると思うので、明日自分がどのような戦いができるのかが自分自身でも楽しみです。
■伊藤選手のコメント
この試合を乗り越えられてよかったと思います。相手はツッツキがうまかったので、フォア前にサービスを出して相手の得意なプレーをさせないようにしました。また、試合の中では相手以上に粘ることを考えていました。強気で攻めても返ってくるという思いで(次球を)待っていたので、引き合いになっても粘ることを重視しました。自分は短いラリーで決めるタイプなので、短いラリーで終わらせたかったのですが、今日対戦した選手との試合では我慢して戦うという思いがありました。
■浜本選手のコメント
あまり調子は良くない中でも積極的に3球目攻撃を打てました。レシーブは連続でミスしたりしたんですが、気持ちを切り替えてプレーできました。練習で思い通りにいかず、いつも以上に不安だったのですが、周りの皆さんからフォローしていただいて安心して試合に臨めました。試合前は福原さんから「4番も5番もいるから安心して頑張って」といわれて、その言葉がすごく心の支えになりました。
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今大会の模様は卓球レポート4月号(3月20日発売)に掲載
公益財団法人日本卓球協会:http://www.jtta.or.jp
世界卓球2016クアラルンプール/公式サイト(英語):http://www.perfectwttc2016.com.my/
国際卓球連盟(ITTF)世界卓球2016クアラルンプール(英語):
http://www.ittf.com/competitions/competitions2.asp?Competition_ID=2587&category=WTTC