世界卓球2016クアラルンプール(2月28日~3月6日)5日目は決勝トーナメントの1回戦と準々決勝の一部が行われる。19時30分(日本時間20時30分)からは女子決勝トーナメント準々決勝が行われ、日本がドイツと対戦。第1ステージ最終戦で敗れた相手との再戦となった一戦は日本が3対0とストレート勝ちで見事リベンジを果たし、メダル獲得を決めた。
<女子決勝トーナメント準々決勝>
日本 3−0 ドイツ
○伊藤 3,7,-7,10 ヴィンター
○石川 7,9,-9,7 P.ゾルヤ
○福原 6,5,-6,8 シルバーアイゼン
伊藤 ー P.ゾルヤ
石川 ー ヴィンター
日本は第1ステージの最終戦で敗れたドイツと準々決勝で再び相対した。リベンジを果たしたい日本はオーダーを変更。石川、伊藤を2点起用し、福原を3番に置いた。対するドイツはヴィンター、P.ゾルヤを2点起用。3番にシルバーアイゼンを起用した。
1番は伊藤対ヴィンター。昨日の3番でも対戦した2人が今度はトップバッターとして対峙した。この重要な試合で1番を任された伊藤だったが、プレッシャーを感じさせないプレーで第1ゲームから躍動。勢いに乗られると恐いヴィンターの持ち味を消す厳しいツッツキ、左右への揺さぶりで得点を重ね、11-3で先制。
第2ゲームも、序盤から厳しいストップレシーブからチャンスをつくり出して得点を挙げた伊藤。ストップの応酬の中で相手の甘いボールをしっかりと見極めて強打を決めて11-7でゲームを連取した。
第3ゲーム、一気に決めたい伊藤だったが、チキータレシーブを織り交ぜるなど、ラリーで先手を奪ったのはヴィンター。終盤には伊藤のフォアハンド強打にミスが続いて7-11でゲームを奪われた。
第4ゲームは伊藤のピッチの速いラリーに慣れ始めたヴィンターに苦しんだ伊藤。終盤まで相手にリードを許す展開が続き、8-10と先にゲームポイントを奪われた。苦しい状況の伊藤だったが、この場面でサービスで2得点を挙げて同点に追いついた。その後のレシーブでは変化をつけてヴィンターのミスを誘った伊藤。劣勢をはねのけて12-10で日本にとって大きな先制点をもたらした。
良い流れで2番にバトンがわたった日本。エースの石川がP.ゾルヤとの対戦に挑む。石川は第1ゲーム、昨日に続いて出足でリードをした。バックハンドを得意とするゾルヤに対して、決め球をフォア側に集めた石川。この戦術が功を奏してゾルヤから先制点を奪った。 続く第2ゲームはゾルヤも石川のフォア側を狙うなど、互いに相手の隙を突く厳しい戦いとなった。その中でも石川は徹底してゾルヤのフォア側を狙い、得点。コースをうまく散らしながらゾルヤに的を絞らせず11-7でゲームを奪った。
第3ゲームはゾルヤの意識がフォア側に傾いたところを見逃さず、オープンになったバック側へ強打を決めた石川。終盤までいい形で攻め続けて勝利まであと一歩と迫ったが、ゾルヤの粘りの前にミスが出て逆転され、ゲームを落とした。 迎えた第4ゲームはゾルヤがラリー戦を展開。距離を取って両ハンドを振り抜き、石川の両サイドを突く攻撃で序盤にリードを広げた。苦しい石川だったが、相手のドライブに対してたくみなブロックで相手のタイミングを外してミスを誘い、点差を縮めた。最後はゾルヤのフォアハンドドライブに対して、カウンターを決めて11-7で勝利を収めた。昨日、ゾルヤに敗れた石川だったが、今日の試合ではゾルヤの得意とするバックハンドを自由に振らせず、フォア側をうまく突いた戦術でリベンジを果たした。
続く3番は昨日のドイツ戦で2敗を喫した福原。相手は昨日敗れたシルバーアイゼン。第1ゲーム、福原はスタートからバック側に来たボールを回り込みフォアハンドドライブで強打するなど、先手を奪う攻撃でリードを広げた。中盤、シルバーアイゼンの連打に苦しむ場面も見られたが、終盤はサービスが効果的に決まり得点。ゲームを左右する重要な局面をしっかりと締めて幸先の良いスタートを切った。
第2ゲーム、シルバーアイゼンはサービスの種類を変えるなど福原を揺さぶって、試合を優位に進めようとするが、福原は動じず。中盤にはバック対バックで打ち勝つなど、昨日苦しめられたシルバーアイゼンの強打に対応して、11-5でメダル獲得に王手をかけた。
第3ゲーム、福原のコースを突いたプレーに対応し始めたシルバーアイゼンは、得意とするバックハンドでの攻撃から得点を上げるなどラリー戦で福原を上回った。なんとか反撃したい福原だったが、ミスも重なりこのゲームを6-11で落とした。
第4ゲーム、シルバーアイゼンは福原のバック側の深いところにツッツキレシーブをして、福原にループドライブをかけさせたところを強打するというパターンで得点を重ねた。シルバーアイゼンの徹底した戦術に対して苦しい状況が続いた福原。それでも何とかして返球して相手のミスを誘い得点。9-6から9-8と追いつかれたところでは日本ベンチがタイムアウト。直後のプレーで続けて得点を挙げて11-8で勝利。前日の敗戦で悔し涙を浮かべた福原だったが、この日は喜びの涙を流して勝利に安堵の表情を見せた。
日本は第1ステージでの敗戦という苦境を乗り越えて、メダル獲得という第1関門を突破した。次は世界卓球2014東京に続く決勝進出を目指して準決勝(3/4 19:30~)に挑む。なお、対戦相手はシンガポール対朝鮮民主主義人民共和国の勝者となる。
<女子決勝トーナメント準々決勝>
中国 3−0 オランダ
○劉詩雯 -8,7,7,1 リ・ジャオ
○李暁霞 4,7,-3,6 エアランド
○丁寧 6,-7,13,-9,10 リ・ジエ
李暁霞 ー リ・ジャオ
劉詩雯 ー エアランド
中国は準々決勝でオランダと対戦。1番の劉詩雯がリ・ジャオにゲームを先行されながらも勝利すると、李暁霞はエアランドに3対1で勝利。3番の丁寧はリ・ジエのカットに苦しみゲームオールジュースの末に勝利。準決勝では中華台北対香港の勝者と対戦する。
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今大会の模様は卓球レポート4月号(3月20日発売)に掲載
公益財団法人日本卓球協会:http://www.jtta.or.jp
世界卓球2016クアラルンプール/公式サイト(英語):http://www.perfectwttc2016.com.my/
国際卓球連盟(ITTF)世界卓球2016クアラルンプール(英語):
http://www.ittf.com/competitions/competitions2.asp?Competition_ID=2587&category=WTTC