11月30日~12月7日までケープタウン(南アフリカ)で世界ジュニア選手権大会(以下、世界ジュニア)が開催される。グローバルな卓球の普及振興のために卓球の盛んではない地域で開催されることの多いこの大会だが、南半球での開催は2003年の第1回サンチアゴ大会(チリ)以来、13年ぶりとなった。日本勢の活躍も期待される今大会、卓レポ.comでは現地から速報をお届けする。
メインフロアでは各国のチームが練習中
海上交通の要衝として栄えたケープタウン
2016年世界ジュニア選手権ケープタウン大会が始まった。いわば世界選手権大会のジュニア版とも呼べる今大会は、シニアでも活躍している多くの選手が通過してきた登竜門だ。記憶に新しいところでは2011年マナーマ大会男子シングルス優勝の丹羽孝希、2012年ハイデラバード大会優勝の樊振東などだろう。女子でも2010年ブラチスラバ大会、2012年ハイデラバード大会で優勝した朱雨玲もシニアの第一戦で活躍する選手に成長している。少し記憶をさかのぼれば2005年リンツ大会の水谷隼や2006年カイロ大会の松平健太などもジュニア時代からその才能を開花させていた。
今大会、日本代表として出場するのは、男子が木造勇人、松山祐季(ともに愛工大名電高)、龍崎東寅(JOCエリートアカデミー/帝京)、張本智和(JOCエリートアカデミー)の4人。初出場ながら、既に経験豊富な選手たちに期待が集まる。特に、ワールドツアー21歳以下シングルスでも最年少優勝記録を更新した中学1年生の張本のプレーには世界が注目するだろう。
女子は加藤美優、伊藤美誠、平野美宇、早田ひなという強力なメンバーでエントリー。団体では一昨年の上海大会まで4大会連続で決勝で中国に敗れているだけにリベンジに期待したい。シングルスでも、日本の4選手が4シードを独占していることからも期待は高まる。グランドファイナルを制した伊藤・平野の女子ダブルスも優勝候補筆頭に挙げられるだろう。
男子の龍崎と張本、女子の4選手は未成年の受け入れに厳しい制限がある南アフリカへの入国のための書類に不備があり、到着が3日遅くなるというハプニングがあった。すでに、予定通りにケープタウン入りしている男女ジュニア両監督に今大会の目標を聞いた。
■田㔟邦史ジュニア男子監督
今大会に出場する4選手は世界ジュニアには初出場ですが、非常に経験を積んだ選手ばかりなので特にそこは気にしていません。ただ、書類のトラブルで飛行機に乗れないということもあったので、張本と龍崎はギリギリに来ることになりました。あとは、体調管理だけが問題かなと考えています。 選手たちに言い続けているのは、世界ジュニアだからといって考えすぎず、思い切り自分のプレーをやりなさいということです。選手が実力を発揮できるように僕たちがそれをサポートしなければいけません。
中国と今年のアジアジュニア選手権大会の団体で中国を破って優勝した韓国はもちろんライバルです。特に韓国の趙勝敏はワールドツアーでも活躍していますし、シニアでも丹羽や大島に勝ったことがあるなど非常に実力のある選手です。安宰賢も張本に勝ったことがあるなど要注意ですね。リーグ戦でおそらく対戦するチェコにも強い選手がいますし、どのチームにも1、2人は強い選手がいるので、そういう選手に確実に勝って、中国と韓国と戦いたいなと思っています。選手のコンディションはいいと思います。
世界ジュニアはジュニアの選手の世界選手権なので、もちろんこの場で結果を出したいというのも1つですし、ここをステップとしてシニアでも活躍してほしいという両方の目標があります。水谷も松平健太も丹羽も、村松や森薗も、世界ジュニアをステップとしてシニアでも活躍している選手がほとんどなので、今後に結びつく重要な大会だと思っています。
海外の選手は、ワールドツアーやジュニアサーキットに出ていなくても、ブンデスリーガの2部、3部などで試合経験は豊富な選手もいるので、決して経験が足りないということはありません。国際大会に出てこないからといって油断ができない選手もいるので、決して気は抜けませんね。ただ、選手4人ともそのあたりは十分承知していますし、初出場ということもあり、第1シードではありますが、挑戦者というつもりでやってくれると思います。
■呉光憲ジュニア女子監督
ランキング的には日本の選手が一番上ですが、僕が心配しているのは、同じ年齢の選手と試合をして、相手がいいプレーをした場合にそれを受けながらやらないといけない。そこで苛立ったりすると負けてしまうことがあります。それは合宿のときにも選手に話をしましたし、それができれば、我々は強いし優勝もできると伝えて、ここに来ました。ですから、優勝して帰りたいと思っています。
対戦相手として警戒してるのは中国、香港、韓国、ルーマニアなどのチームです。女子団体は残念ながら世界ジュニアでは2位が続いていますが、今回は中国も絶対に勝てないというメンバーではないので、メンタルのコントロールさえしっかりできればいい結果はついてくると思います。
選手のコンディションは悪くはありませんが、書類の問題で26日に選手が来る予定が今日(29日)になってしまいました。ただ、明日は試合がないので、休みながらやれば、問題はないと思います。
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今大会の模様は卓球レポート2月号に掲載します。