女子シングルス3回戦に続いて行われた男子シングルス2回戦では、世界卓球初出場の張本が日本のエース・水谷を破る大金星を挙げた。
<男子シングルス3回戦>
張本 7,8,12,-7,8 水谷
男子シングルス2回戦で張本が日本のエース・水谷を破る大金星を挙げた。
張本は序盤からサービス・レシーブでラリーの主導権を握った。サービスでは上回転と下回転をうまく交ぜて使い、チャンスをつくり出した。水谷がレシーブを何度も浮かせる場面が目立ち、張本は浮いたボールを確実に仕留める展開が続いた。レシーブでも得意とするチキータに加えて、正確なストップで水谷の攻撃を防いだ。
一方の水谷は、自身が得意とするサービス・レシーブで張本を崩したいところだったが、サービスを的確にレシーブする張本の前に主導権を握ることができず、張本が2ゲームを先行する予想外の展開となった。
迎えた第3ゲームは張本が第1、第2ゲームに続いて攻勢を仕掛けるも、水谷がブロックで対応するなど接戦となり、ジュースにもつれこんだ。ジュースに突入後、張本はゲームポイントを奪ったところでタイムアウト。このタイムアウトが功を奏して第3ゲームを14-12で奪った。
勝利に王手をかけた張本。第4ゲームは勝ちを意識したか、リードしたところから攻撃にミスが出て、7-11でゲームを奪われた。続く第5ゲームは9-5と勝利まであと一歩のところから9-8まで迫られたものの、最後まで攻めの姿勢を崩さずに攻め続けて11-8で勝利。
日本の絶対王者を世界卓球の舞台で破る大金星を挙げた。
一方、敗れた水谷は序盤からレシーブが浮き、張本に強打される形が続いた。張本の攻撃をうまくしのいで1ゲームを返したが、怒濤の攻撃を見せる張本を止めることはできず、初のシングルスのメダル獲得を狙って今大会に臨んだが、まさかの2回戦敗退となった。
■張本智和のコメント
「今まで卓球をやってきた中で一番うれしいです。試合前は勝つ可能性は5%くらいだと思っていましたが、気持ちとしては『絶対に勝つ』と思っていたので、その気持ちがプレーにも出たと思います。
(試合内容については)昨日と同じでサービスがよくて、レシーブもストップがしっかりと止まって、チキータがよく入りました。ラリーでもせめていけたので、全て良かったと思います。2対0になって次のゲームを取られてもまだリードだし、もしかしたら勝てるんじゃないかと思いました。3ゲーム目のタイムアウトをとった場面で勝たなければいけないと思いました。(タイムアウトのときは)1回気持ちを落ち着かせようと思っていて、このときにチキータでしか得点できないと考えて、次のプレーでチキータを選択しました。第5ゲームは9-5から9-8まで迫られて初めて水谷さんが恐いと思いましたが、このまま負けたら一生後悔すると思ってプレーをしました。(勝った瞬間は)声を出す体力もなかったです」
■水谷隼のコメント
「今日の試合は完敗でした。試合前は自分の中で試合をこういうふうに組み立てようという思いはあったのですが、それに対してことごとく彼が対応してきて、だんだん自分がやる戦術がなくなってしまいました。サービス・レシーブで彼が有利に立っていたと思いますし、自分の得意であるサービス・レシーブで先手を取れなかったことが一番の敗因だと思います。1、2ゲーム目を取られたときに自分ができることはなかったなと感じました。最初から最後まで彼が試合をコントロールしていて僕はくらいつくのが精一杯でした。全体的に彼のプレーが僕のプレーを上回っていたと思います。
不完全燃焼で終わってしまった部分もありますが、僕の分まで頑張ってもらいたいです。僕をこのような大きい舞台で倒すことができたので、誰にでも勝つチャンスはあると思うし、メダル獲得を目指して頑張ってほしいです」
今大会の模様は卓球レポート7月号(6月20日発売)に掲載
公益財団法人日本卓球協会:http://www.jtta.or.jp
世界卓球2017デュッセルドルフ/公式サイト(英語):http://www.wttc2017.com/en.html
国際卓球連盟(ITTF)世界卓球2017デュッセルドルフ(英語):
http://www.ittf.com/tournament/2705/world-table-tennis-championships/