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元日本代表が世界卓球を語る「梅村礼の眼」⑤

世界卓球2017デュッセルドルフでは、全日本チャンピオンの座に2度輝き、日本代表としても活躍した梅村礼がその鋭い目で見た世界卓球を語る。ここでは、女子シングルス3回戦の話を聞いた。


ayazo.jpg<女子シングルス3回戦>
平野 8,-8,10,7,5 陳思羽(中華台北)

お互いにバック対バックでは負けたくないという意地の張り合いをしている感じがしましたが、平野選手の方が一発の威力がありました。要所で点を取ったときはミドルを突いたり、フォアを突いたりしていたので、バック対バックの展開から、もう少し早くコースを変えていたら、ラリーの早い段階で決めることができていたかもしれません。
しかし、試合全体を振り返ると、サービスもよく効いていたし、レシーブも相手がやりにくそうにしていたので、調子は上り調子でいい感じだと思います。この先は相手が強くなって行くので疲れを溜めないようにして、1試合1試合に臨むことができれば、上位進出も見えてくるのではないでしょうか。

石川 10,-7,7,5,6 リ・ヒョンシム(朝鮮民主主義人民共和国)
序盤は相手選手の球質に慣れるのに時間がかかりましたが、後半はどっしりと構えて石川選手のタイミングでプレーをしていたので安心して見ることができました。また、この試合は経験値の差を感じる試合でもありました。相手選手は国際大会に出場することが少ない分、競ったときにやることが定まっていませんでした。バック側が異質ラバーの分、無理をして攻撃をしてラリーの展開が不利になる場面もありました。一方、石川選手は競ったときの攻め方が確立されていました。そのあたりは経験値の差なのだと思います。
石川選手は大会全体を見ても安定した戦いぶりが光ります。3種目に出場しているということもあり、体力的な面での不安はありますが、残り2種目に集中して臨んでほしいですね。

サマラ(ルーマニア) -5,-8,7,8,-4,8,8 佐藤
佐藤選手は本当によくボールを拾って粘りました。相手のミス待ちをしていた部分もありましたし、チャンスボールがあれば積極的に攻めていた部分もあったのですが、最終ゲームは守備の割合が多くなった分、サマラ選手としては恐さがあまりなかったと思います。前半はチャンスボールが返ってくることが多く、佐藤選手も打てていたのですが、後半はもっと打てるボールを積極的に打っていくと、サマラ選手も的を絞れなかったと思います。もっと攻めていかなければいけないところを、相手のミス待ちになってしまい、押し切られたという感じでした。
佐藤選手はフォア側にドライブが来たときに打球点が遅くなり、その分ボールが浅くなって強打を打たれてしまうという展開が多かったので、そこで1回カーブロングを入れるなど、変化を付けることができていれば展開が変わっていたかもしれません。攻撃選手が一番難しいとされる肩の高さくらいのカットを送ったり、低いボールを送ったり、変化を付けていた点はよかっただけに、非常に惜しい試合でした。


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今大会の模様は卓球レポート7月号(6月20日発売)に掲載

公益財団法人日本卓球協会:http://www.jtta.or.jp
世界卓球2017デュッセルドルフ/公式サイト(英語):http://www.wttc2017.com/en.html
国際卓球連盟(ITTF)世界卓球2017デュッセルドルフ(英語):
http://www.ittf.com/tournament/2705/world-table-tennis-championships/

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