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2017年世界ジュニア4日目②中国男子がジュニア王座に返り咲き

世界ジュニア選手権イタリア大会4日目、男女団体決勝は女子に次いで男子が行われ、日本をストレートで破った中国が王座に返り咲いた。

 

中国男子、王座に復活
 
トップの薛飛はパワフルな両ハンド
 
中国ベンチは序盤から声を出して力の入った応援
 
木造は以前の対戦で勝っている薛飛を打ち崩せず
 
もはや実力は中国でもシニア級の王楚欽
 
田中は初の中国選手との対戦で出足でナーバスに
 
徐海東が髙見を破り、中国の優勝を決めた
 

<男子団体決勝>
 中国 3-0 日本

○薛飛 -9,3,8,9 木造
○王楚欽 6,-8,6,6 田中
○徐海東 6,9,4 髙見
 王楚欽 - 木造
 薛飛 - 田中

昨年のケープタウンでは準決勝で韓国に敗れた中国が雪辱をはらすべく臨んだ今大会。10月に行われた中国運動大会で並み居る強豪の中で3位の好成績を残し、もはや実力はシニアでも中国トップクラスといっていい王楚欽を筆頭に、王座を取り戻す気迫に満ちたメンバーだ。
対する日本は準々決勝、準決勝を見事なチームワークで勝ち抜いた愛工大名電高トリオの木造、髙見、田中。田㔟邦史監督の指揮の下、国際経験豊富な木造が髙見と田中を牽引する形だ。

前半で得点を挙げたかった日本は、アジアジュニア選手権大会で薛飛を破っている木造を当てるオーダーが成功。木造はペンホルダーの薛飛のフォア側をうまく突く、台上レシーブのうまい相手に対してロングサービスを要所で使うなど、巧みな試合運びで第1ゲームを先制。しかし、木造のバッククロスの打ち合いになるとどうしても押される場面が増える。薛飛の威力のあるフォアハンドドライブを前陣でカウンターし続けるのは苦しい展開。第4ゲームは台上で先手を取るなどして6-4と中盤までリードを保つが、やはり、薛飛のボールに対応しきれない。いい形ができたと思っても、予想を上回るボールが返ってくる。エース木造、先制点のほしい場面だったが、薛飛に2度目の勝利はならなかった。

中国選手と初めて対戦するという田中は、様子見から入って王楚欽の猛攻を浴びる。田中も「ボールの質もすごかったし、強い中国なのにベンチも盛り上がっていたし、ビックリしたことが多かった」と振り返るが、立ち上がりは飲まれてしまったというのが実情だろう。2ゲーム目はチキータレシーブからの展開で優位に立ったが、第3、第4ゲームはチキータにも対応してきた王楚欽が少しでも甘いボールは強烈な両ハンドドライブで決定打に。田中は試合後に「速さや自分のボールの質を両ハンドとも上げて、守備の面でも対応できたらもっとよくなると思っている」と課題を明らかにした。

あとがなくなった日本だが、ペンホルダーの徐海東に対して、先に攻めたい髙見だが、縦回転系のショートサービスとロングサービスを織り交ぜたサービスに的を絞れずに、レシーブで先手を取れず。サービスからの攻撃もなかなか1発で決めるにはいたらない。特に大きいラリーになるとパワーの差が出る。サービス・レシーブでの得点パターンも豊富な徐海東がストレートで髙見を破り、中国が2年ぶりに王座に返り咲いた。

■田㔟邦史監督のコメント
予想通りのオーダーで木造が薛飛との対戦となりました。内容的にもそんなに悪い戦い方ではなかったと思います。3ゲーム目、4ゲーム目も7-7、8-8までいっているので。ただ、そこで得点をほしいときにこちら側にミスが出て、あちらにミスがなかったと言うところで差が出てしまったと思います。狙いに行ったボールのミスがまだありますね。「あげなくていい得点」をこちらのミスで相手に与えてしまっているので、そこは的確にポイントすることができればあのゲームに勝つことはできたと思います。1本リードしたときに離したい、そういう場面で勝負をかけて確実に得点したい。そうするとメンタル的にも優位に立つことができると思います。そういう1本を確実に取れるような技術力の高さがもっと求められるのかと思います。

田中は中国人と対戦するのが初めてと言うことで、どういう試合をするのかと思っていましたが、1ゲーム目は相手に何かされるんじゃないかと思って、自分から無理に攻めていたところがあって、ベンチに戻ってきて、特に何もされてないから、田中の得意なチキータから初めて、バックハンドで先手を取っていこうというアドバイスをしたら、2ゲーム目はすごいいいスタートを切って、このゲームを取りました。しかし、第3ゲームは王楚欽が自分から攻めてきたので、そのときの対処法がありませんでした。今後田中が中国選手と対戦していくためには、ブロック力とカウンターとフォアハンドの引き合いが必要になってくると思います。台上のチキータとかバックハンドの技術についてはそこまで引けを取らないのではないかと思います。王楚欽にも徹底してフォアサイドを攻められたので、そこが課題だと思います。

髙見は出足でレシーブミスしたり、自分のミスが多くて、リズムをつくれずに、何をしていいか分からなくなって頭が真っ白になったというところがあります。基本的な自分の攻め方というのを持っておいて、あとは見せ球をつくるようにすればよかったのですが、この試合では「フォア前がダメだから、バック前。バック前がダメだからロングサービス。ロングサービスがダメだからミドル前」とだんだん自分のやることをなくしていったという感じでした。基本的な自分のやり方を持っていながら、少しずつ変えていくという風にできればよかったんですが、自分で考えて流れをつくっていくということを見失っていた試合でした。

このメンバーで経験が多いのは木造だけでした。髙見と田中は初出場で、2人ともこれだけの戦い方ができた、ここまで頑張ってくれたというのはやはり評価できると思いますし、昨日のフランス戦、韓国戦の苦しい場面を乗り越えてくれたことは評価したいと思います。銀メダルは僕は胸を張っていい結果だと思います。

明日からの個人戦は、どんな種目でも中国選手とあたるところまでは負けないで行くこと、それで、中国をかつことを目標にしてほしいし、田中が今回初めて中国選手と対戦しましたが、自分に足りない物が実際にやるまでは分からないと思うんですよ。改めて中国選手と対戦して分かることがあるので、ミックスダブルスでも男子ダブルスでも中国選手と対戦してほしいと思うのでまずはそこまで行ってほしいというのが私の思いです。


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今大会の模様は卓球レポート1月号に掲載します。
 

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