念願のジュニア男子を制し、男子シングルスでも準決勝へと勝ち進んだ張本智和(JOCエリートアカデミー)。一戦ごとに風格が増していくようなプレーぶりには、ただただ驚くばかりだ。張本の技術として、大島祐哉(木下グループ)との男子シングルス準々決勝で撮影した連続写真の中から、フォアハンドでのフリックを取り上げよう。
右足をしっかり踏み込んで、ためらわずにラケットを振り抜く
張本の台上技術というとチキータが印象深いが、フリックも目を見張る威力がある。2018年1月号の卓球レポートでも「チキータとはまた違った威力があるフリックは、自分にとって大きな武器」と本人が語っているように、思い切りよく振り抜くフリックは、張本にとって欠かせない得点技術だ。
連続写真1~6は、ミドル(センターライン付近)前あたりに来たストップをフォアハンドでフリックし、得点したラリーだ。
右足を踏み込み、打球面をしっかり開いてボールに近づいた張本は(写真1~3)、右足を踏み込みながら、開いた打球面を返すようにラケットを小さく動かしてフリック(写真4~5)。反動で左足が高く跳ね上がるくらい右足をしっかり踏み込み、ためらわずにラケットを振り抜くことが、張本のフリックが決まる理由だ(写真6)。
ボールをはじくように打つフリックは、前進回転が少ない上にスピードが速いので、相手にとっては非常に対応しにくい技術だ。この効果を踏まえ、張本は台上に来たボールに対してチキータだけでなく、フリックも積極的に使って攻撃を仕掛ける。明日の最終日も要所で思い切りのいいフリックがさく裂すれば、張本が史上最年少で男子シングルスを制することも夢ではないだろう。
詳しい情報は日本卓球協会ホームページに掲載されています。
日本卓球協会:http:/www.jtta.or.jp
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