中国との頂上対決はもう間もなく!
■馬場監督のコメント
「準備がしっかりできて勝ててよかったと思います。トップの伊藤はいいプレーをしてくれました。2番の石川は、出足はすごくよかったのですが、途中相手のプレーが粘り強くなり、少し自分のペースを崩してしまいました。そこをよく立ち直り、最後は相手のネットとエッジが非常に多かったのですが、あきらめることなく耐えて耐えて勝利をつかんでくれました。非常にいい試合だったと思います。私たちはカットマンと対戦すると、そのときそのときで苦しくなるのは当たり前だと思っているので、その苦しい時間をいかに耐えて勝てるかということを課題にしています。
こういうこと(突然のコリアの結成や、ベンチが10人になるなど)が起こるのがオリンピックや世界選手権だと思っているので、私が動揺しても仕方ないので、選手には動揺を与えず、対戦相手と戦うことだけに集中することを考えさせました。自分でも驚きはしましたけど、それでナーバスになったり不安定になったりはしたくないと思っていましたし、それができたと思います。
コリアと対戦するときは、ベンチに10人入っていいとうことで、コーチに入ってもらうことにしました。コリアになったからには、よりすごい気迫で向かってくると覚悟していて、すべての選手が試合を出るときには自分の試合に集中して、ベンチにいるときは一丸となって選手をサポートしようと伝えました。試合の中で「覚悟をさせる」ということがすごく大事だと思っていて、どんなに苦しい展開があってもわたしたちはその苦しい展開の中から勝利をつかもうという、そういう戦いの内容、戦いぶりを選手に常に言ってきました。これまで苦しい試合がいくつかありましたが、そこで成長が見れたと思っています。
中国に戦いを挑むべくがんばって練習してきました。ここでやっとその切符を手に入れられたと思っています。中国と戦って自分たちにどれだけの力があるのか、監督としてしっかり見極めたいと思っています」
■伊藤選手のコメント
「(田志希とは)初めての対戦だったので、楽しみでもあったし負けられないと思って試合に臨みました。自分らしくいつも通りプレーすれば大丈夫と思いましたが、今日は今大会で一番よかったです。昨日の接戦(対ウクライナのペソツカ戦)があったから今日に生かされたと思います。
絶対に決勝までいくという目標を立てていたので、コリアに勝てたことはすごく自信になりましたが、目標は金メダルなのでまだまだ全然満足していませんし、決勝で勝つことだけしか見てないです」
■平野選手のコメント
「コリアは誰が出てくるか分からない状況で、特に3番はどうかなと思っていたんですけど、梁夏銀選手はどちらかというと得意でずっと勝っていた選手だったので、自信を持って戦うことができてよいプレーができました。2番の石川さんの試合は、やっぱりキム・ソンイ選手がすごくて…(しばし感慨にふける)なんかすごい感動の試合でした。だから、自分が3番でしっかり波に乗っていかないとという気持ちもありましたし、のびのびとプレーできた。お二人(伊藤と石川)に感謝の気持ちでいっぱいです。中国を目標にしていて、急にハプニングがあってまず準決勝という気持ちで今戦ってたんですけど、でも準決勝を勝つために来たわけではありません。もう1回かって優勝するためにやってきたので、優勝したいです」
■石川選手のコメント
「突然決まったチームと対戦することになって動揺はしたし、プレッシャーも感じたし、いつもと違う注目もされている中で勝ちたい気持ちもあった中、苦しい試合になると思っていましたが予想上に苦しかったです。アンラッキーも結構続いて心が折れそうになったんですが、このままじゃリオのときと同じだと思って最後の最後は自分のことを信じて、また、みんなも一丸になって応援してくれたので、リオの自分とは違ったプレーができました。
後半、絶対取れないようなエッジボールが何本も来て、これはやばいなと。でも、キム・ソンイ選手もわざとではないので仕方がないと思いつつも、絶対に負けられないと思いました。こういう緊張した場面で、最後は本当に自分を信じることができたかなと思います。(試合は)心と心の勝負なので、そこで今日は最後に自分を信じることができて、リオのすごく痛い経験が今の私の力になっていると思います。これだけ大きな大会で勝ててリオの自分はしっかり克服できたのかなと。
いよいよここまで来ることができました。中国との決勝が本当に大一番だと思って私たちはやってきたので、最高の準備をして、あまり考えすぎずに自分たちのプレーをして全力でぶつかっていきたいと思います。コリアとの試合も乗り越えて、さらにチームがよくなったし、試合に出ているのは3人ですが、あとの2人(早田、長﨑)もしっかりサポートしてくれているので、チームとしてよくまとまっています。中国以上の団結を見せて、苦しいときこそ、という気持ちでがんばりたいと思います」
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(写真=佐藤孝弘、取材・まとめ=猪瀬健治)