全国中学校卓球大会ーいわゆる「ゼンチュウ」は、各都道府県の予選を勝ち上がっただけでは出場できない。都道府県予選を勝った後、各ブロック大会を勝ち抜かなければ出場できない狭き門だ。選りすぐりの精鋭たちが集まるため、男女団体、シングルスとも序盤からハイレベルで激しい試合が続くことが予想される。
ここでは、各種目の見どころを探ってみよう。
愛工大名電と四天王寺は再び優勝旗を持ち帰ることができるか
【男子団体】
男子団体は、現在5連覇中の愛工大名電(愛知)が大本命だ。男子シングルス第1シードの谷垣、第2シードの鈴木、カデットチャンプの篠塚、濱田らが並ぶオーダーは強烈。中学卓球界のオールスターともいうべき愛工大名電から3点を取るのは至難の業だろう。
愛工大名電に対抗する1番手は、前回2位の野田学園(山口)だ。当たりだしたら止まらない野田スタイルがはまれば一気に頂点もあり得る。キャプテンの今泉が持ち前のガッツでチームをいかに乗せれられるかが一つの鍵だ。
そのほか、カデット2位のカット主戦型・原田のいる中間東(福岡)、関東王者の安田学園(東京)も上位を狙う。四国の強豪・明徳義塾(高知)、九州の雄・明豊(大分)もゼンチュウに照準を合わせてしっかり仕上げてくるだろう。
【女子団体】
女子団体は、昨年優勝の四天王寺(大阪)が本命になる。女子シングルス第1シードの菅澤、第2シードの横井、パワフルなドライブが魅力の中森、スケールの大きい大藤らがそろった布陣は、男子の愛工大名電同様、隙がない。
四天王寺を脅かすチームとしては、昨年3位の就実(岡山)、山陽女子(岡山)の岡山勢の勝ち上がりに注目したい。選抜優勝の明徳義塾(高知)も、持ち前の団結力で実力以上の力が出るチームなので恐い存在だ。関東優勝の武蔵野(東京)、2位の横浜隼人(神奈川)も関東勢の意地を見せてほしいところだ。
そのほか、中間東(福岡)は2年生主体のフレッシュなチームなので、勢いに乗ればチャンスはあるだろう。
【男子シングルス】
谷垣、鈴木、篠塚、濱田ら愛工大名電勢にほかの有力選手がどう対抗するかが見どころになる。
ストップ愛工大名電の注目選手は、まずカット主戦型の原田(中間東)。昨年のカデット14歳以下男子シングルスでは粘り強いカットと気迫で今大会第1シードの谷垣を下しており、乗れば台風の目になる可能性大だ。
カデット14歳以下男子シングルス3位の田原(明豊)も、パワフルなフォアハンドドライブで上位を狙う。昨年ベスト8の伊藤(安田学園)もブロックがうまく、安定性が高いのでなかなか負けにくい選手だ。
そのほか、昨年のカデット13歳以下男子シングルス王者の吉山(大井東)、同大会2位の前出(東観)がどこまで勝ち上がるのかにも注目したい。
【女子シングルス】
女子シングルスも男子同様、菅澤、横井、中森、大藤ら四天王寺勢が上位を独占するのか、それともほかが四天王寺勢を打ち破るのかが焦点になる。
四天王寺勢に立ちはだかる最有力は何と言っても1年生の小塩(稲付)だろう。変化幅が大きいツッツキとカットで国際大会でも実績を上げており、今大会でも優勝の可能性は十分にある。
昨年ベスト16でカデット14歳以下女子シングルス3位の伊藤(善通寺西)もキレのある両ハンドで上位進出を狙う。同じくカデット14歳以下女子シングルス3位の伊東(小名浜第一)もスマッシュの決定力があるだけに面白い存在だ。
伸びやかなフォアハンドドライブが魅力の赤江(貝塚第二)も勢いに乗れば上位進出のチャンスがある。
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試合の詳細な記録は下記サイトをご覧ください。
第49回全国中学校卓球大会/広島大会:http://zenchu-hiroshima-takkyu.jp/
(写真=佐藤孝弘 文=猪瀬健治)