2018年の後期日本卓球リーグが、11月7~11日まで山形県の酒田市国体記念体育館で開催された。女子1部は中国電力、女子2部は豊田自動織機がともに初優勝を飾った。
【女子1部】中国電力が初優勝!
中国電力が新たな歴史の扉を開いた!
MVPの土田はシングルス全勝
単複で活躍した宋
女子1部は大会4日目で中国電力が全勝、そのほかが2敗以上しており、最終戦を待たずに中国電力の優勝が決まった。過去には全日本総合団体を2度制した実績を持つ中国電力だが、日本リーグは意外にも初優勝。「一歩ずつ積み重ねてきた結果」と松岡監督の言葉を体現するように、選手たちは勢いだけではなく、地に足のしっかりついたプレーで勝ち星を積み重ね、歴史ある日本リーグ史上に新たな足跡を残した。
バック表の土田、裏面ドライブを使う宋、シェーク異質攻撃型のサウスポー・成本、カットの庄司ら多彩な戦型がそろうのが中国電力の大きな強みだが、今大会では最高殊勲選手賞を獲得した土田の活躍が光る。強烈な投げ上げ変化サービスからの快速バックハンドでシングルスを全勝し、チームに大きな安定感をもたらしていた。
●松岡俊志監督のコメント
「最高です。うちは安定した成績でずっと来ていて、3部からスタートして2部も着実に上がっていって、1部でも安定していつも3位か4位あたりで。いつかは優勝するだろうと思っていましたが、やっときたなという感じですね。
積み重ねだけで、準備も特別なことは特にありません。ただ、選手の中での合い言葉が「楽しくやろう」と。どうせ苦しいのは分かってるのだから、取り組む上では楽しくやろうというのがキーワードになっていました。うちのウリは昔からそうですが、こうしたチームワークです。
MVPは土田です。十六銀行との試合で加藤(杏)とゲームオール16対14を勝ち切った試合が象徴するように、安定して勝ってくれました。土田は背番号が2番ですが、それは、彼女が好きな広島カープの田中広輔選手の背番号が2番だからです。田中選手のようにリードオフマンという形で前半に出て点を取って流れをつくるつもりで、本人も2番をつけています」
●土井みなみキャプテンのコメント
「優勝できたのは素直にうれしいですし、できれば全勝で優勝が1番よかったですが、まずは一つタイトルを取れたことはうれしいです。昨日(大会4日目)の十六銀行戦で勝つか負けるかで今日の気持ちも全然違ってくるので、昨日(優勝を)決められたことはすごくよかったと思います。
今回、土田が全勝してくれたのですごく心強かったですし、ベンチでも安心して見ていられました。
私が入って11年目ですが、初優勝までは長かった。やっと取れたという感じです。
日本リーグが始まる前のミーティングで今回は『楽しんでみんなでがんばろう』とテーマを決めて、試合に出る人が絶対勝つんだという気持ちが強く見えました」
2位 日立化成
中国電力に競り負け、惜しくも2位
>趙琳は前陣速攻で優秀選手賞を獲得
>趙琳は前陣速攻で優秀選手賞を獲得
3位 サンリツ
サンリツは得失点差で日立化成にわずかに及ばず
平(右)/松本は息の合ったプレーで優秀ペア賞を受賞
平(右)/松本は息の合ったプレーで優秀ペア賞を受賞
2位に入ったのは日立化成。エースの鈴木、優秀選手賞を授賞した趙琳を軸に優勝を目指したが、中国電力に2対3で敗れたのが尾を引いた。
3位のサンリツは中国電力とデンソーに敗れ、通算5回目の優勝はならなかった。
女子1部の順位は以下の通り。
1位 中国電力
2位 日立化成
3位 サンリツ
4位 十六銀行
5位 デンソー
6位 愛媛銀行
7位 広島日野自動車
8位 エクセディ
【女子2部】豊田自動織機が層の厚さで全勝初優勝!
豊田自動織機は層の厚さを見せつけた!
社会人王者の森(右)/平野はさすがの強さ
女子2部は豊田自動織機が全勝で初優勝を飾った。全日本社会人ダブルス王者の森/平野に、全日本社会人ベスト8の田中をそろえたオーダーは強力で、2部では頭一つ抜けた強さを見せた。1部でも十分通用する戦力だけに、来期の日本リーグが楽しみだ。
女子2部の順位は以下の通り。
1位 豊田自動織機
2位 朝日大学
3位 神戸松陰女子学院大学
4位 JR北海道
5位 MACHIDA BEATS
6位 オークワ
7位 百十四銀行
8位 山形県選抜