世界ジュニア選手権オーストラリア大会4日目は、男女団体の決勝が行われた。女子は昨年に続き、中国対日本の決勝となった。日本は一昨年のケープタウン以来の王座奪還を狙ったが、木原が1点を取るにとどまりリベンジはならなかった。中国は2連覇を達成。圧倒的とは言えないが、実力差は確実に存在することを知らしめる決勝となった。
<女子団体決勝>
中国 3-1 日本
○銭天一 9,-11,-8,5,9 長﨑美柚
○石洵瑶 8,2,3 大藤沙月
黄凡真 -4,-7,8,4,-10 木原美悠○
○石洵瑶 6,5,9 長﨑美柚
2016年南アフリカ大会で、加藤美優、伊藤美誠、平野美宇、早田ひなというメンバーで、決勝で中国を破り、優勝を手にした日本だが、2017年イタリア大会では再び賜杯を中国に明け渡してしまった。今大会でリベンジを図りたい日本だったが、力及ばず中国に2連覇を許した。
トップはサウスポー対決となったが、守備の固い銭天一に対して長﨑がリスクを負って両ハンドドライブの強打で攻める展開で互角の勝負となるが、最後は固い守りだけでなく、攻めの強さも見せた銭天一に対して長﨑はチャンスボールをミスし惜敗。先制点は中国となった。
エースの石洵瑶に挑んだのは大藤。第1ゲームこそ世界ジュニア女王にして中国ジュニアのエースと互角のラリーを繰り広げた大藤だが、第1ゲームを奪うチャンスを失うと、第2ゲーム、第3ゲームは石洵瑶がパワフルな両ハンドで圧倒。初めての大舞台にやや萎縮したか、実力を出し切れないまま大藤が敗れ、日本は2失点と後がなくなった。
流れは完全に中国だが、ここで木原が後半にたすきをつなぐ貴重な1点を挙げた。木原は、変化のわかりにくいサービスと表ラバーのバック面でチャンスをつくり、ラリーを優位に運ぶと、若手の黄凡真から2ゲームを連取。相手も負けじとしゃがみ込みサービスと両ハンドドライブで粘り強く戦い2ゲームを返す。最終ゲームは流れがめまぐるしく変わる展開で先にマッチポイントを取った木原が、追いすがる王凡真を振り切ってジュースの末に勝利。日本が一矢報いる形となった。
木原の勝利を反撃ののろしとしたい日本はだが、4番のエース対決に挑んだ長﨑は、昨年の決勝で破っている石洵瑶にパワーとスピードで完敗。先手を取って攻めてもボールが返ってくる相手を打ち抜くために無理をしてミスが重なる悪循環。第3ゲームは石洵瑶のバック側を厳しく攻めて5対0とリードするが、石洵瑶はぶれないメンタルと集中力で逆転。負けられないという思いが先に立ったか、長﨑は勝負どころでチャンスボールを打ち損じて、あえなくストレート負けとなった。
日本には相馬を使うという選択肢もあったとは思うが、特にボールの威力と守備力において、日本と中国の間にはまだまだ差があると思い知らされた。決定打の威力、コースが厳しく、他の相手には決まる決定打が返ってくる、戦術の転換が早いなど、見習うべき点はまだ多く残っている。ただ、その差は確実に縮まっているし、今回もチャンスがなかったわけではない。だからこそ、この負けをさらなるステップアップのための糧として再び王座を目指してほしい。
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