丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館)で開催されるている平成30年度全日本選手権大会。初日はジュニア男子が1回戦まで、ジュニア女子と混合ダブルスがそれぞれ2回戦まで行われた。
ジュニア男子1回戦には、注目の小学5年生・松島輝空(木下グループ)が登場。「初めての全日本でめっちゃ緊張した」という松島だが、とてもそうとうは思えない堂々たるプレーで内藤(日本航空高)を下し、2回戦に駒を進めた。堂々たる立ち居振る舞いだけでなく、打球点の早いバックハンドドライブや、そこからの畳み掛ける連打など、プレー内容もジュニアの先端を走っている。どこまで勝ち上がるか楽しみだ。
ジュニア女子2回戦までの注目は、小学4年生の張本美和(木下グループ)。1回戦を豪快なフォアハンドドライブを連発して快勝すると、2回戦でバック面に異質ラバーを貼る中田(愛知みずほ大瑞穂高)と対戦。張本は中田の回転量の多いフォアハンドドライブと球質の重いバックハンドのギャップに苦しみ、ゲームオールまでもつれる。
最終の第5ゲームは序盤から大きくリードするも中田にじわじわと追い上げられ、カウントは10−9。ここで、「フォームで短いサービスが来ることが何となく分かった」という張本が、フォア前に来たサービスを鮮やかなフォアハンドフリックで抜き去り、3回戦進出を決めた。ダイナミックなフォアハンドドライブや足の速さなど技術的な部分はもちろんだが、競り合いでの冷静な読みや最後まで切れない集中力など、張本はメンタル面でも小学4年生のレベルをはるかに超えている。
今大会ではジュニア女子に加え、混合ダブルス、女子シングルスと3種目にエントリーしている張本。「自分は出場している選手の中で1番小さくて弱いので、一つでも多く勝ちたい」という小さなヒロインのチャレンジに注目したい。
混合ダブルスは2回戦までが行われ、注目のシード勢が続々と登場した。
第一シードで連覇を狙う森薗/伊藤(岡山リベッツ/スターツSC)は高い集中力で快勝。
現世界王者の吉村/石川(名古屋ダイハツ/全農)は菅沼/梅村(明治大/中央大)に1ゲームを落とすも、中盤以降は地力の差を見せて勝ち切った。
上位進出が期待される張本/長﨑(JOCエリートアカデミー/JOCエリートアカデミー・大原学園)も「東京オリンピックでは混合ダブルスも含めて全種目出場を目指す」という張本が気合い十分のチキータで長﨑を引っ張り、快勝で3回戦に駒を進めた。
そのほか、小学4年戦の張本(木下グループ)と星(仙台ジュニアクラブ)も競り合いを物にし、3回戦進出。明日は平成25年度王者の張/森薗(Y.Y卓球クラブ/TOP名古屋)に挑む。
(文=猪瀬健治 写真=佐藤孝弘)
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