丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館)で開催されるている平成30年度全日本選手権大会。3日目は女子シングルス2~3回戦が行われ、明日の4回戦でスーパーシードの選手と対戦する32選手が出そろった。注目の小学4年生、張本美和は一般の部でも活躍。3回戦で敗れたものの、その名を多くの卓球ファンの記憶に刻み込んだ。
一般でも張本美和の快進撃は続いた。
2回戦で対戦したのはカットの池上玲子(愛媛銀行)。大人のカットを持ち上げるのはさすがに難しいかと思ったが、「カットはコーチに練習をしてもらっているので、一番得意な対戦相手がカット」と試合後のコメントで語った張本美和。ご存じの方も少なくないだろうが、張本美和の母親の凌さんはカット主戦型で世界選手権大会にも出場経験のある元中国代表選手なのだ。
池上に対しては、カット打ちで勝機を見出し、チャンスボールをスマッシュするオーソドックスなカット攻略で3対1と底力を見せたが、3回戦で対戦した同じくカット主戦型の朝田茉依(同志社大)には、得意のカット打ちが発揮できなかった。というのも、朝田のカットはナックルがメイン。張本が「これまで対戦したことがないタイプの選手」だったため、対応するのに時間がかかった。1ゲーム目をジュースで落とし、2ゲーム目も逃げ切られたが、中盤からはナックルカットに対してスマッシュで攻める戦術に切り替え1ゲームを取り返した。しかし、それでも回転量を見誤ってオーバーミスが出るなど、変化に対応しきれずに惜しくも第4ゲームを12-14で落として敗れた。
本人は表情に悔しさをにじませたが、多くの卓球ファンはジュニア女子の活躍と合わせ、この健闘に賞賛を送っていることだろう。現時点での強さと驚くべき成長スピードを考えると、小学生にしてジュニアの部を制することも十分にあり得ることなのではないかと思えるほどの今大会の活躍ぶりだった。
(文・写真=佐藤孝弘)
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