全日本卓球2019、大会4日目の1月17日。混合ダブルスは準決勝と決勝が行われ、初出場の張本/長﨑がディフェンディングチャンピオンの森薗/伊藤に挑んだが惜しくも敗れ、森薗/伊藤が2連覇を飾った。
森薗/伊藤は抜群の「攻めの速さ」と「タイミングの変化」
個々の技術だのみの張本/長﨑のダブルスには伸びしろがある
決勝は、試合の主導権を握ることを得意としている森薗/伊藤が、ラブオールからそのまま優勝まで行ってしまったという感じですね。このペアは大会の序盤からずっと安定したプレーをしていて、自分たちのやりやすいコンビネーションでプレーできていたと思います。
このペアの強みはまず「攻めが速い」ことです。それに、森薗がフォアハンドを踏み込んで打てるのでラリーを押すことができ、劣勢になることがありません。加えて、伊藤の技の多彩さがあるので完璧なペアだと思います。
昨年の全日本から今回の決勝まで1ゲームも落としていない森薗/伊藤から、初めてゲームを奪った張本/長﨑もやはりさすがというべきでしょう。このペアの強さは、個々のプレーのレベルが高いことです。驚くべきことに、このペアはダブルスに関しての強みという部分ではまだ持っていません。ですから、この先、経験を積んでいけば、もっといい戦い方ができるようになってくるでしょう。まだまだ伸びしろのあるペアだと思います。
技術レベルとボールの質の高さでは張本/長﨑も見るべきところはありましたが、タイミングの変化や緩急という点ではやはり、森薗/伊藤の方が数段上でした。張本/長﨑はどんなボールもだいたい同じタイミングで打ってくるので、相手にしてみればやりづらさはなかったと思います。それよりも個々の技術の高さ、ボールの質の高さがこのペアが決勝まで勝ち進んでこられた理由でしょう。
森薗/伊藤は相手のみならず、パートナーのタイミングまで崩すようなプレーをしていたので、相手の待ちを外していいボールを打たせない技術は、圧倒的な強さで全日本2連覇を達成したペアならではのものだと思います。
(まとめ=佐藤孝弘)
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