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全日本卓球2019 男子ダブルスは木造/張本が初優勝

丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館)で開催されるている平成30年度全日本選手権大会。最終日を翌日にひかえた6日目、男子ダブルスは準決勝と決勝が行われ、木造/張本ぺあが松山/髙見を激戦の末に破り初タイトルを手にした。

何度もピンチを乗り越えてつかんだ初優勝に歓喜の抱擁

前陣速攻のスピードでは群を抜いていた木造/張本

試合中もコミュニケーションを絶やさずにプレーした


<男子ダブルス決勝>
木造勇人/張本智和(愛知工業大/JOCエリートアカデミー) -9,7,-5,5,14 松山祐季/髙見真己(愛知工業大)

 決勝は見どころの多い試合だった。準決勝は張本対水谷を中心に展開したが、決勝のポイントは木造対松山/髙見といったところだろうか。ご存じの通り木造、松山、髙見は愛知工業大のチームメート、松山が1学年上だが3人とも中学校からの同門だ。しかも、木造は松山とペアを組んで全日本カデットの部で優勝。同級生の髙見とは小学校から同じクラブで、高校生のときにはインターハイダブルスチャンピオンに輝いている。

 つまり、お互いの手の内をよく知り合う仲なのだ。そうした背景を踏まえると、松山/髙見が木造から点を取ろうと考えるのは戦術的な必然といっていいだろう。木造はそのことに必要以上にナーバスになっているように見えたが、その弱気になったパートナーを最後まで鼓舞し続けたのが、張本智和だ。そうした背景が張本にどこまで共有されていたかは分からないが、張本のこの男子ダブルスのタイトルに対する執念はすさまじいものを感じた。

「決勝まで来たからには負けられない」。それは松山/髙見にしても変わらぬ思いだろうが、始まる前から優勝しか考えていなかった木造/張本の方がわずかに上回っていたのではないだろうか。

 試合は前陣に張り付いて速攻を繰り出す木造/張本と中陣から威力のあるボールを打ちたい松山/髙見という展開となったが、木造のボールを松山が、張本のボールを髙見が受ける奇数ゲームが松山/髙見の流れがよく、チキータ封じのロングサービスをうまく使うなどして、台上で先手を取らせる回数を減らし、ラリーでも互角かそれ以上の展開となった。

 最終ゲームも松山/髙見のリードで進み、さきにマッチポイントを握ったが決めきれずに、2度目のマッチポイントを握ったところでタイムアウト。木造/張本はポイントごとにコミュニケーションを取り、サービス・レシーブのプランを確認。3度のマッチポイントをしのぎ、最後は意見が食い違ったというが、張本はチキータレシーブで行きたい木造の意志を尊重し、木造は自信のあったチキータで松山の投げ上げたサービスをレシーブし得点につなげた。優勝が決まった瞬間、張本は木造に飛び乗って抱きつき背中を叩いて喜びを全身で表現した。


松山/髙見はラリー戦では速さと威力を兼ね備えた好ペア


 2位の松山/髙見は準決勝で、松下/藤村に劇的な逆転勝ちを収めて決勝進出を決めた。松山の爆発力と髙見の安定感がうまくかみ合ったペアリングで、上田/吉田や吉村/坪井ら強豪ペアを倒して決勝まで勝ち上がってきた。
 決勝でも自信を持って戦い、最後まで木造/張本を追い詰めたが、松山が「勝っていても怖かった」と語ったように、どこかで「張本智和」という存在に飲み込まれていたのかもしれない。実力差がそれほど大きくないことは今回の決勝で証明できたのだから、そうした張本にたいする「特別意識」は対戦回数が増えていく中で克服していけるだろう。


水谷/大島は木造/張本に連破を阻まれた

松下/藤村は決勝進出のチャンスを惜しくも逃した

<男子ダブルス準決勝>
木造勇人/張本智和(愛知工業大/JOCエリートアカデミー) 13,9,−5,10 水谷隼/大島祐哉(木下グループ)
松山祐季/髙見真己(愛知工業大) −9,−6,9,11,8 松下海輝/藤村友也(日鉄住金物流)

 水谷/大島は、今大会の男子シングルスのベスト4が一堂に会するハイレベルな戦いとなった。昨年はダブルスで張本ペア(宇田/張本)を破っている水谷が、意地を露わにして戦う好勝負となったが、木造/張本の速い攻めに押し込まれて、2つのジュースを落として敗戦。

 松下/藤村は同じラリー志向の松山/髙見に対して、左右のペアのアドバンテージを生かして、強打で攻めて2対0とリードしたが、粘り強く戦い抜いた松山/髙見に逆転負けを許し、惜しくも決勝進出はならなかった。
(文・写真=佐藤孝弘)

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詳しい試合の結果は大会公式サイトでご確認ください。
全日本卓球:http://www.japantabletennis.com/zennihon2019/

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