第46回全国高等学校選抜大会が3月25~28日、福岡県北九州市立総合体育館で開催された。
選抜大会は新学期を間近に控えた1・2年生による学校対抗の団体戦と、過去に選抜大会やインターハイ、全日本選手権大会などへの出場経験がない選手による男女シングルスが行われる大会だ。
男子学校対抗は愛工大名電が優勝し、5連覇を飾った。
【男子学校対抗 決勝】
愛工大名電 3-1 野田学園
◯曽根 -8,4,9,-8,9 戸上
◯横谷 7,7,7 松田
加山/曽根 -9,5,-5,-8 戸上/宮川◯
◯加山 4,10,7 内田
堀川 - 宮川
決勝は、愛工大名電(愛知)対野田学園(山口)という昨年と同一カードになった。
試合はトップの曽根対戸上のエース対決からいきなりクライマックスへ。曽根は、インターハイ王者の戸上に真っ向勝負を敢行。チキータからの強烈なバックハンドドライブや、戸上必殺の回り込みバックストレートをカウンターで抜き返すなど、曽根は戸上の株を奪うようなアグレッシブなプレーを展開し、ゲームオール9本で勝利。試合の流れを決定付ける先制点をたたき出した。
曽根の殊勲で勢いに乗った愛工大名電は2番で横谷が松田にストレートで快勝し、早くも王手。
簡単には負けられない野田学園は戸上/宮川のダブルスで一矢報いるも、4番で愛工大名電の加山が気迫のプレーで内田を圧倒し、5連覇を決めた。
今大会の愛工大名電は圧勝というわけではなく、苦戦が続いたが、「失点をみんながカバーし合ってくれた」と今枝監督が振り返ったように、チームカバーリングのよさで他をわずかに上回り、栄冠を勝ち取った。
●愛工大名電・今枝一郎監督のコメント
「(決勝は)曽根につきます。インターハイチャンピオン、世界代表にもなろうかという戸上を、素晴らしいプレーで勝ちましたから。すごいですね、文句ないですね。
決勝のオーダーは予定通りです。ガチンコ勝負だと思っていましたので、4番と5番が逆になってもおかしくないと思っていましたし、そのままでもありだと思っていました。
決勝の堀川がそうですが、全国大会の経験が乏しいチームなので、ぎりぎりの戦いの準備はしてきました。『一人一役』を選手がまっとうしてくれて、僕としては満足です。準決勝負けた選手が勝ち、準決勝で勝ったダブルスが決勝では負けてしまいましたけど、みんなが助け合ってよくやってくれたと思うと、ちょっと泣けてきちゃいますね。
5連覇はまったく意識してませんでした。今回勝つことしか考えていなかったですから。ただ、選手たちには、その意識は強かったと思います。特に加山は、去年迷惑かけた分、今回は自分がやるんだという意識が強かった思います。
また、出場機会はありませんでしたが、キャプテンの堀がチームをよくまとめてくれました。本当に感謝したいです」
●男子学校対抗2位 野田学園(山口)
2位の野田学園は絶対エースの戸上を柱にサウスポーの宮川がわきを固めるオーダーで、決勝までわずか1失点で勝ち上がってきた。その勢いで愛工大名電を飲み込むかと思われたが、頼みの戸上が曽根に破れ、涙を呑んだ。
「夏までに勝ち切るチームに仕上げてきます」と橋津監督はインターハイでの雪辱を誓った。
(取材=猪瀬健治)
詳しい記録は全国高体連卓球専門部ホームページに掲載されています。
全国高体連卓球専門部:http://www.koutairen-tt.net/