世界卓球2019ブダペスト、3日目は男女シングルスと男女ダブルスが、それぞれ決勝トーナメント2回戦まで行われた。
初日、2日目と観客が少なく、この先の盛り上がりが懸念されたが、3日目の今日は多くの観客が詰めかけ、地元のハンガリー勢や好プレーに惜しみない拍手を送っていた。これからステージが上がるにつれて、世界卓球2019ブダペストはさらに盛り上がっていきそうだ。
男子シングルスは決勝トーナメントの2回戦までが行われた。
張本智和、水谷隼、丹羽孝希、森薗政崇は順当に3回戦へと駒を進めた。
一方、吉村和弘はカルデラーノ(ブラジル)にゲームカウント2対4で破れ、無念の2回戦敗退。ラリーでは五角以上だっただけに、6ゲーム目の終盤、カルデラーノのハイトスサービスに対してミスが続いたのが悔やまれる。
そのほか、男子シングルス1回戦では、上位進出が期待された香港のエース・黄鎮廷が安宰賢(韓国)に敗れた。安宰賢は球質の重い両ハンドドライブを武器に、続く2回戦では欧州期待のモアガルド(スウェーデン)も撃破。今後の勝ち上がりが楽しみだ。
第1シードの樊振東、第2シードの許昕、馬龍ら中国勢も順当に3回戦進出。中でも、林高遠は序盤から気合い十分で、今大会に賭ける意気込みが伝わってくる。
また、ボル、オフチャロフ、フランチスカ(ともにドイツ)やフレイタス、アポロニア(ともにポルトガル)、サムソノフ(ベラルーシ)、ファルク(スウェーデン)ら欧州の強豪たちも順当に勝ち残っている。
女子シングルスは、出場した5人の日本選手全員が3回戦へ駒を進めた。
伊藤美誠は圧巻の強さで3回戦進出。技の多彩さ、攻めの速さと連続性で対戦相手に付け入る隙を与えなかった。明日の3回戦では、中国期待の若手・孫穎莎と激突するが、見応えのある試合になるだろう。
前回銅メダルの平野美宇は2回戦でペソツカ(ウクライナ)の手首をこねるような独特のバックハンドに2ゲームを奪われるが、終盤はしっかりタイミングを合わせて圧倒し、対応力の高さを見せた。
加藤美優は、2回戦で地元ハンガリーのペルゲルと対戦。第3ゲームまで楽勝ペースだったが、第4ゲームのジュースの場面で相手のボールがエッジだったかどうかでもめた末にゲームを落とすと、会場全体がペルゲルの応援に。しかし、完全アウェイの中でも自分を見失わずにプレーした加藤が5ゲーム目を取り、ゲームセット。技術力もさることながら、加藤の気持ちの強さが表れた一戦だった。
そのほか、石川佳純、佐藤瞳も快勝で3回戦に駒を進めた。
中国勢も出場選手全員が順当に3回戦進出。その中でも王曼昱の出来が素晴らしく、女子でありながら一撃で抜き去るスイングには華がある。
面白い存在としては、プエルトリコのA.ディアス。決して足が速い選手ではないが、どんな体勢でもラケットに当たりさえすれば相手コートに入れ込むタッチ力がある。3回戦ではナンバーワンシードの丁寧(中国)と対戦する。A.ディアスは、丁寧からするとあまり対戦したことがないタイプだろう。どんな試合になるのか注目したい。
男子ダブルス2回戦は、日本勢で明暗が分かれた。
昨日の初戦では固さが見られた張本智和/木造勇人の全日本王者ペアだったが、今日は見違えるようなのびのびとしたプレーで快勝。3回戦へ駒を進めた。このまま上り調子で突き進んでほしい。
一方、前回銀メダルの森薗政崇/大島祐哉は、フランスのフロール/ルベッソンにゲームオール9本でよもやの敗戦。連続メダルのプレッシャーからか、いつものアグレッシブな連続攻撃が散発的で、フランスペアに足をすくわれてしまった。
女子は、早田ひな/伊藤美誠、橋本帆乃香/佐藤瞳の2チームとも2回戦を圧勝し、3回戦に進んでいる。
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(写真=佐藤孝弘、文=猪瀬健治)