男子シングルス準決勝
許昕(中国) 9,12,-8,3,8 林昀儒(中華台北)
さすが許昕だと思ったのは、ちょっと出たボールやちょっと浮いたボールを確実に狙って仕留めてくるというところですね。そこはやはり中国人選手、特に許昕の強さと言えると思います。
林昀儒は決勝で少し緊張しているように見えました。準決勝までとボールの走りが違いました。許昕はサービスの長さがハーフロングで、チキータレシーブしにくい、台の外からもドライブしにくい、ストップは出てしまう絶妙なサービスでした。一方の林昀儒は、準決勝までは完璧にコントロールしていたサービスが、甘くなっていて、要所で台から出たところを狙われてしまいました。
林昀儒も許昕のドライブをバックストレート狙いでカウンターしていたのは利いていましたし、要所で彼らしいプレーも出て、序盤は競り合いになりましたが、バック側に回転量の多い山なりのボールを混ぜられたり、ツッツキを持ち上げさせられてカウンターを狙われるようになってからは、許昕のペースになってしまいました。速さには強い林昀儒ですが、回転の質や量で変化には対応に戸惑っている部分があるように見受けられました。
許昕はオリンピックの前の年に、ワールドツアーとはいえ、決勝で外国人選手に負けられないというプレッシャーもあったでしょう。相当気合いが入っていましたね。
林昀儒はオリンピックには中華台北のエース扱いで出てくるでしょうから、日本をはじめ、他国にとってはかなりやっかいな存在になってくると思います。1年後、パワーをつけて、鋭さを増した林昀儒を見るのは楽しみでもあり、怖くもありといったところですね。
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Seamaster 2019 ITTFワールドツアープラチナ ライオン卓球ジャパンオープン荻村杯 札幌大会:http://www.japantabletennis.com/japanopen2019/
(取材=佐藤孝弘)