9月6日~8日まで、第53回全日本社会人卓球選手権大会が熊本県の熊本市総合体育館で開催。
最終日は、女子シングルスの準々決勝から決勝が行われ、野村(デンソー)が初優勝を果たした。
【女子シングルス優勝】野村萌(デンソー)
【【女子シングルス2位】安藤みなみ(十六銀行)
●女子シングルス決勝
野村萌(デンソー) 7,4,-9,9,7 安藤みなみ(十六銀行)
女子シングルス決勝は、高卒ルーキーの野村萌(デンソー)対大卒ルーキーの安藤みなみ(十六銀行)という、社会人ルーキー対決になった。
ともにバック面に異質ラバーを貼る両者の試合は、どちらがバックハンドで主導権を握れるかが焦点になったが、野村が手首を思い切り利かせた鋭いバックハンドで安藤を圧倒。鋭いバックハンドに加え、ロングサービスを多用する積極的なゲームメイクで、野村が「これまで1ゲームも取ったことがない」という安藤にゲームカウント4対1で快勝し、昨夏のインターハイに続いてビックタイトルを手にした。
■女子シングルス優勝・野村萌のコメント
「大会前はランク入りを目標にしていました。社会人でもう一度日本一になるという目標を持って実業団に入ったので、まさか1年目で優勝できるなんて思っていませんでした。3回戦の百十四銀行の谷本さんにほとんど負けている試合、そこを踏ん張れたことで、宋さん(中国電力)や谷岡さん(サンリツ)に勝って、決勝まで来られたと思います。
ロングサービスは作戦もありますけど、最後まで思い切ったプレーをやり通そうと思って、自分から思い切っていきました。大会前も結構バックハンドの練習をしてきていたので、その練習の成果が出せたと思います。
安藤さんからは今までたぶん1ゲームも取れていない。試合前は1ゲーム取るのが目標でした。自分は向かっていく立場だったので、クラブ(卓伸クラブ)の先輩ということは特に気にせずに決勝を戦うことができました」
一方、2位の安藤みなみ(十六銀行)は決勝まで頭一つ抜けた力を見せていただけに悔しい敗戦になってしまった。決勝の野村戦では生命線である異質ラバーでのバックハンドが通じず、打開策が見い出せなかった。
■女子シングルス2位・安藤みなみのコメント
「(決勝は)ずっと押されている感じで、立て直せたら良かったんですけど、そのまま終わってしまいました。(4ゲーム目は6ー0になったが)リードしていても内容的には押されていたので、もっと向かっていく気持ちがあれば良かった。技術でも押されていたので、そこが大きかったかなと思います。
(同じ卓伸クラブで)野村さんとは小さい頃に少しだけ試合をやっていました。ロングサービスを出されることは予測していました。
今は、大学時代より良い環境で練習させてもらっています。1日4~5時間くらいは練習できます。またすぐ後期の日本リーグが始まるので、前期に引き続き優勝できるよう頑張りたいです」
【女子シングルス3位】平侑里香(サンリツ)
【女子シングルス3位】庄司有貴(中国電力)
3位の平侑里香(サンリツ)は、持ち味である表ソフトラバーでのバックハンドで準決勝まで勝ち上がり、第1シードの面目を保った。
もう一方の3位、庄司有貴(中国電力)は変化の激しいフォアハンドでのツッツキとカットに軸にしたプレーで準々決勝で松本(サンリツ)をゲームオールで振り切り、うれしい表彰台。
【女子シングルス ベスト8】
前田美優(日本生命)
加藤知秋(十六銀行)
小道野結(デンソー)
松本優希(サンリツ)
詳しい記録はこちらから
日本卓球協会:http://www.jtta.or.jp/tournament/tabid/122/rptid/529/Default.aspx
(取材=猪瀬健治)