2019年11月6~10日まで、東京体育館(東京)でJA全農 ITTF卓球ワールドカップ団体戦2019TOKYOが開催。
第1ステージ(予選リーグ)でイングランドに敗れ、2位通過となった日本が決勝トーナメント準々決勝でドイツと対戦。第1試合のダブルスは落としたものの、続くシングルスで3得点を挙げ、準決勝に駒を進めた。
日本がドイツからシングルスで3点を挙げ金星
●男子団体準々決勝
日本 3-1 ドイツ
丹羽/吉村 7,-2,-5,-5 フランチスカ/ボル○
○張本 8,-9,8,2 オフチャロフ
○吉村 7,9,11 ボル
○張本 -7,7,7,12 フランチスカ
丹羽 - オフチャロフ
第1ステージ2位通過となった日本は、第2ステージで1位通過のドイツと対戦。ベストメンバーのドイツに苦戦必至と思われたこの試合、日本は第1試合でダブルスを落とす苦しい展開。
続くシングルスで、ボル、オフチャロフ、フランチスカから3点をたたき出すのは至難の業だと思われたが、今日の日本は違った。
2番で張本が苦手としているオフチャロフに対して、絶妙な長さのサービス、強気のバックハンドと粘り強さを増したフォアハンドで優勢に進め、第4ゲームは11-2と圧倒し、快勝。日本反撃の火ぶたが切って落とされた。
続く、吉村も難敵ボルに対して、巧みなサービスと思い切った回り込みとキレのあるフォアハンドドライブの3球目攻撃。ラリーになっても畳みかけるようなフォア連打でボルに反撃の隙を与えなかった。サービスに徐々に対応されてきた3ゲーム目も吉村リードで進むが終盤で追いつかれジュースに。ここでも信念のフォアハンドで攻めきった吉村がまさかのボルに完封で金星を挙げた。大舞台に強い男、吉村真晴の本領発揮といったところだろう。
4番、最高の形で再びバトンを受け取った張本は、目下伸び盛りのフランチスカと対戦。バック対バックで張本をしのぐほどのパワーを見せるフランチスカに対して、張本は果敢にフォアストレートをついて先手を取り、優勢に。第4ゲームはマッチポイントを連続で逃しジュースとなるも、落ち着いたプレーで相手のミスを誘った張本が3ゲーム連取で決めて、日本が準決勝進出を決めた。
日本の準決勝の対戦相手は、アメリカを破った中国。試合は1日挟んで、9日の17時15分スタートだ。
■吉村真晴選手のコメント
「僕が3番でフランチスカと対戦するオーダーでしたが、ボルが3番だということがわかって、短い時間でもしっかり調整することを心がけました。
今大会は智和が2点起用で、エースの自覚を持ってプレーしてくれているので、僕と孝希のダブルスがしっかり勝って、智和が2点取るのが理想ですが、今日はサプライズでぼくがボルに勝てたということですね!
とにかく楽しんで、自分のプレーをすることだけ意識しました。3ゲーム目を落としていたら、もっとサービスに慣れられて、粘られていたかもしれない。前回の香港オープンでの対戦でも3−1から逆転されていて、今回も3ゲーム目の終盤は非常に劣勢でしたが、僕も粘れたし、フォアドライブも非常に走っていました。サービスは効いていたし、自分のフォアドライブで攻めきれるというイメージを持ってプレーできました」
中国はアメリカを完封
●男子団体準々決勝
中国 3-0 アメリカ
○許昕/梁靖崑 5,5,0 フェン/チャン
○樊振東 3,5,5 ジャア
○梁靖崑 3,5,3 チャン
樊振東 - フェン
許昕 - ジャア
準々決勝はもう1試合行われ、第1ステージでスウェーデンを破り2位通過を決めたアメリカが中国に挑戦。ケルベリとカールソンから2点を挙げる大活躍をしたジャアだったが、樊振東には歯が立たず。決定的なパワーの差を見せつけられる結果となった。それにしても、実力差のある相手に対しても気の緩みを一切見せないどころか、劣勢の場面でも誰よりもボールに食らいつくような執念深い樊振東のプレーには鬼気迫るものがある。オリンピック中国代表の切符を手に入れるには勝利だけでは不十分なのかもしれない。
ITTF(国際卓球連盟):http://ittf.com/
大会特設サイト:http://www.japantabletennis.com/2019twc/
(取材=佐藤孝弘)