2019年11月6~10日まで、東京体育館(東京)でJA全農 ITTF卓球ワールドカップ団体戦2019TOKYOが開催。
大会4日目は男女準決勝が行われ、準々決勝でドイツを破った日本男子は決勝進出をかけて中国に挑んだが、0対3で敗れ3位に終わった。
日本、中国の壁を越えられず
●男子準決勝
中国 3-0 日本
◯梁靖崑/許昕 6,6,6 丹羽/吉村
◯樊振東 7,4,11 張本
◯許昕 9,5,-6,1 吉村
樊振東 - 丹羽
梁靖崑 - 張本
第1ステージでイングランドに1敗を喫するも、第2ステージ準々決勝でドイツを破り勢いに乗る日本が、準決勝で中国に挑戦。中国は馬龍を控えに回すも戦力は十分。日本も水谷を欠いてはいるが、ベストメンバーのドイツを破って勝ち上がってきただけに、流れ次第ではチャンスは大いにあり得ただろう。
今大会1勝2敗と振るわない日本のダブルスだが、中国ペアに対しては、リスクを負ったカウンターに勝機を見出した。しかし、中陣からの許昕の回転量の多いボール、前陣からの梁靖崑の威力抜群のボールを狙い打つのは至難の業だ。随所に好ラリーは見せつつも日本ペアが力負け。
2番の張本は樊振東に真っ向勝負を挑む。闘鶏のようなすさまじいボールの打ち合いは今大会随一の迫力だ。フォアの打ち合いでもパワー負けしないだけの力をつけてきた張本だが、押し込まれたボールに対する対応力の高さで樊振東が一歩リード。万全の体勢で打ったボールは張本も樊振東に匹敵するが、樊振東の打球点を下げてしまったボールや詰まったボールへの対応力には目を見張るものがあった。内容的にはそこまでの力の差は感じないが、終わってみればストレート負けというのが、偽らざる結果だ。だが、張本が迷いなく突き進めば、必ずこの差はなくなると感じさせる試合でもあった。
準々決勝でボルを破る大金星を挙げた吉村は許昕に挑戦。吉村は得意のアップダウンサービスと、許昕のフォア側を鋭く突くバックハンドカウンターが光ったが、中陣での安定感抜群の許昕を打ち抜けず、1対3で敗北。吉村にもチャンスがないではなかったが、さらにリスキーな攻撃や大胆な戦術転換が求められることになるだろう。
日本は水谷抜きというハンデを背負っての戦いとなったが、ドイツに土をつけたのは今大会の殊勲と言えるだろう。熾烈な五輪代表争いは当落線上にいる選手たちにはこの上なく苦しいものと察するが、最強の日本で、最高の舞台で中国越えを目指してほしい。
ITTF(国際卓球連盟):http://ittf.com/
大会特設サイト:http://www.japantabletennis.com/2019twc/
(取材=佐藤孝弘)