2020年後期日本卓球リーグが、11月11〜15日まで、熊本県の熊本県立総合体育館で開催。
男子1部は、協和キリンが2017年後期日本リーグ京都大会以来、3年振りに優勝を果たした。
【男子1部優勝 協和キリン】
男子1部を制したのは、協和キリン。最終戦まで、協和キリンと東京アート、愛知工業大学の3チームがならぶ大混戦になったが、東京アートと愛知工業大学の直接対決が引き分ける中、協和キリンがリコーを3対1で下し、文句なしの優勝を決めた。
松平賢二が選手兼監督としてチームをまとめ、MVPを獲得した平野友樹、引き合いにめっぽう強い渡辺裕介、地元熊本県出身のルーキー・硴塚将人のオーダーは穴がなく、序盤でシチズン時計、日鉄物流ブレイザーズをともに4対0で退け、優勝ロードに乗った。
■協和キリン・松平賢二選手兼監督の優勝インタビュー
−おめでとうございます。率直な感想をお聞かせください
いやあ、久しぶりの優勝で勝ち方を忘れていました(笑)
コロナ禍で難しい状況でしたが、僕らからしたらその期間があってよかったなと思います。硴塚をみんなで成長させることができましたし、みんなと話し合う時間も増えました。それによって一人一人の役割を確認できたことが大きかったと思います。ベンチの後藤や岩淵も本当によくやってくれました。誰かが負けても誰かがカバーする試合が多かったので、誰か一人がよかったのではなくて、みんながよかったと思います。
−鍵になった試合は?
初日です。シチズン時計と日鉄物流ブレイザーズは毎回必ず競るのですが、そこにともに4-0で勝ったことは、ほかのチームにもプレッシャーになったと思います。
2ヶ月くらい前から今回の試合方式に合わせて、2台進行で練習試合したり、タイムテーブル通りに練習試合して休憩したり。準備する期間が長かった分、僕たちが一番準備できたのかなというのは、初日に思いました。ベンチワークも含めて、試合への入り方がふわっとしていなかったのがすごくよかったと思います。
−コロナ禍になって卓球の全国的な大会は初ですが?
僕ら選手はプレーして、やっぱり楽しかったですし、こういう環境がないと成長できないとあらためて思いました。どれだけ練習しても大会で結果を出さないと、伸びることがないので。
大会を開いてくれたことは本当に感謝しています。これからも、もちろん感染対策に気をつけなくてはいけませんが、今回のように徹底しつつ、大会が開催できれば、いろいろな人の成長につながるし、スポーツ界にとってもいいことだと思います。
−優勝を決めて、目が赤かったようですが?
いろんなことがフラッシュバックしてすごかったです(笑)
日本リーグから選手が抜けていき、協和キリンからも選手が抜けたりとか、勝てない期間が続いたときに、僕自身のやり方がおかしいのではと疑念を持ったりとかいろいろあって。自分のやり方は、本当は間違っているんじゃないかという苦しさがあった。
今回本当にみんなとうまく連係が取れ、こうして頑張って優勝できて、間違いか間違いじゃないかは分かりませんが、一つ報われたなと。またこれでみんなともう一回上に上がれるような気がします。
【男子1部2位 東京アート】
2019年前期後期大会に続く三連覇を目指した東京アートは、負けこそなかったものの、3つの引き分けが響いて2位。
三連覇は成らなかったが、エースの吉村和弘、キャプテンの高木和卓、ベテランの吉田海偉らを並べたオーダーは依然層が厚い。次回大会での巻き返しに期待したい。
【男子1部3位 愛知工業大学】
昨年のファイナル4の覇者・愛知工業大学が3位。キャプテンの松山祐季、全日本3位の木造勇人を中心に学生らしい躍動感あふれるプレーを展開し、最後まで優勝争いに加わったが、わずかに届かなかった。
【男子1部4位 日鉄物流ブレイザーズ】
引き分け以上でファイナル4進出が決まるシチズン時計との最終戦では、0対2と大ピンチに陥る。しかし、3番で田添健太が酒井明日翔を、4番で藤村友也が御内健太郎を渾身のプレーで下し、ファイナル4進出の切符を手にした。
上記4位までに入ったチームが、12月12〜13日にエフピコアリーナふくやま(福山市総合体育館)で行われる2020年度日本卓球リーグプレーオフ JTTLファイナル4に出場し、年間チャンピオンをかけて争う。
【後期日本リーグ男子1部の最終順位】
1位:協和キリン(5勝0敗2分)
2位:東京アート(4勝0敗3分)
3位:愛知工業大(4勝0敗3分)
4位:日鉄物流ブレイザーズ(3勝2敗2分)
5位:シチズン時計(2勝2敗3分)
6位:リコー(1勝4敗2分)
7位:日野自動車キングフィッシャーズ(0勝5敗2分)
8位:原田鋼業(0勝6敗1分)
詳しい記録はこちらから
日本卓球リーグ実業団連盟:https://www.jttl.gr.jp/taikairesult/2020/09/2019-2.php
(取材=猪瀬健治)