第30回日本卓球リーグ選手権・ビッグトーナメント熊本大会が、4月19日(月)~22日(木)にかけて、熊本県の熊本県立総合体育館で開催。ビッグトーナメントとは、日本リーグ加盟選手に特別招待された2021年世界選手権釜山大会日本代表選手を加えて、シングルスとダブルスで日本一を争う大会だ。
最終日は女子シングルス準々決勝から決勝までが行われ、佐藤瞳(ミキハウス)が初優勝を果たした。
●女子シングルス決勝
佐藤瞳(ミキハウス) 5,7,9 宋恵佳(中国電力)
女子シングルスを制したのは特別招待選手の佐藤瞳(ミキハウス)。佐藤は、同じく特別招待選手の石川佳純(全農)が背中の痛みで大事を取り、棄権する中、圧倒的な強さを見せた。
スーパーシードの佐藤は、初戦の準々決勝で変則プレーの浅井一恵(エクセディ)に1ゲームを奪われるものの、続く準決勝の出雲美空(エクセディ)、決勝の宋恵佳(中国電力)には、いずれもストレート勝利。「攻める部分がすごくよくなった」と本人が語る通り、鉄壁のカットに加え、機を見た攻撃が面白いように決まり、格の違いを感じさせるプレー内容で優勝をさらった。
■佐藤瞳の優勝コメント
「今回ベスト8から出場させていただいて、最後まで試合ができて勝ち切ることができてよかったです。普段は国際大会で勝つことを1番の目標にしているので、本当に実力を上げることだけを考えて練習をしてきました。今までよりも攻める部分がすごくよくなって、以前は決まらなかったボールが決まるようになり、攻撃が入ることによって相手に攻め急がせるようなプレーをさせることができたと思います。
今は国際大会もなくて、普段私は国際大会しか試合がないので、こういった機会をいただき、実戦の場で今どのくらいできるのか試してみようと出場させていただきました。打ち方や用具など、いろいろがらっと自分の卓球を見直して、また違った形になってきた感じです。
5月に中国で国際大会があるものだと思って準備していたので、(中止になり)すごくがっかりしましたが、『ここでもう1回ちゃんと強化しろ』と言われていると思って、技術的にもそうでが、フィジカルをもっと強化していきたいと思っています。
私は全日本から試合がなくて、ほかの選手と比べても実戦の場が少ないので、(今回のビッグトーナメントは)すごくありがたい機会でした」
2位の宋恵佳(中国電力)は、準々決勝の山本怜(十六銀行)、準決勝の永尾尭子(サンリツ)をそれぞれゲームオールの接戦で倒して決勝進出。佐藤にはカットに攻撃をうまく混ぜられて勝機を見いだせなかったが、裏面ドライブの名手としての存在感を見せた。
3位には変化速攻が光るサウスポーの出雲美空(エクセディ)と、パワフルなドライブが魅力の永尾尭子(サンリツ)が入った。
●ベスト8入りした選手
※もう一人のベスト8は棄権したスーパーシードの石川佳純(全農)
詳しい結果は、日本卓球リーグのホームページに掲載されています。
日本卓球リーグ実業団連盟:https://www.jttl.gr.jp/taikairesult/2021/03/29-2.php
(取材=猪瀬健治)