3月3日(木)、ノジマTリーグ2021~2022年シーズンのプレーオフファイナルがアリーナ立川立飛で行われ、男子はレギュラーシーズン1位の木下マイスター東京と2位のT.T彩たまが対戦。
結果は、木下マイスター東京が3対1でT.T彩たまを下し、二年ぶり3度目のTリーグ王者に輝いた。
●男子ファイナル結果
木下マイスター東京 3対1 T.T彩たま
大島祐哉/田添健汰 9,8 上田仁/松平健太
張本智和 9,9,9 曽根翔
大島祐哉 -4,-10,-6 丹羽孝希
及川瑞基 -7,7,9,-1,8 篠塚大登
レギュラーシーズン首位の木下マイスター東京は、エースの張本智和にシーズンMVPの及川瑞基、、シーズンを通して単複で活躍した大島祐哉をシングルスに揃えた盤石のオーダーで二年ぶりの優勝を狙う。
対して、初のファイナル進出を果たしたT.T彩たまは、後期MVPの曽根翔と若手有望株の篠塚大登に経験豊富な丹羽孝希をシングルス、ダブルスには上田仁、松平健太の実力者二人を起用してきた。こちらも真っ向勝負の布陣だと言えるだろう。
1番のダブルスはラリーこそ続かないものの、両ペアともチキータから探り合う緊張感に満ちた展開が続いたが、要所でカウンターを決めた大島/田添が木下マイスター東京に先制点をもたらす。
実績十分の上田/松平だったが、ファイナル決勝の緊張からか、らしからぬ凡ミスが続いてしまったのが悔やまれる。
キーマッチと見られていた2番の張本対曽根も、1番の流れを引き継いだかのような緊張感に満ちた展開になったが、張本がストレートで勝利し、木下マイスター東京が早くも王手をかける。
レギュラーシーズンでは0勝2敗(ビクトリーマッチを含めると1勝3敗)と曽根に分の悪かった張本だったが、ハーフロング気味のサービスを巧みに混ぜつつ、少し威力を抑えた丁寧な両ハンドで曽根のミスを誘い、エースの責任を果たした。
この勢いで勝利を決めたい木下マイスター東京だったが、3番でT.T彩たまの丹羽が見事なプレーを見せる。丹羽は、T.T彩たまの坂本竜介監督が「今シーズンで1番の出来」と称えたように、変化サービスからの速攻が冴え渡り、T.T彩たまが1点を返した。
丹羽の圧巻のプレーもさることながら、普段クールな丹羽が得点時に両拳を突き上げる様子からは、このファイナルの重さがひしひしと伝わってきた。
1点を返された木下マイスター東京だったが、勝負を決めたのはレギュラーシーズン19勝とダントツの勝ち星を重ね、シーズンMVPに輝いた及川だった。
T.T彩たまの新鋭・篠塚との4番はハイレベルなラリーを続けながらゲームールまでもつれたが、最後は及川が質の高いバックハンドから畳み掛ける両ハンドで篠塚を振り切り、両腕を広げて木下マイスター東京の勝利を宣言した。
これで、4シーズンで優勝3回、2位1回と圧倒的な成績を残した木下マイスター東京。他チームが追いかける常勝軍団としての地位を確実に固めたといえるだろう。
一方、初優勝はならなかったが、T.T彩たまも経験豊富な選手と若手の融合で、このファイナルだけでなく、シーズンを通して見事な戦いぶりを見せた。
特に、曽根、篠塚ら若手の目覚ましい成長や、丹羽、松平、上田らベテランと呼ばれる年齢に差し掛かろうとしている選手たちの充実ぶりは、Tリーグのチームが強化の土台であることをあらためて示したといえる。
●倉嶋洋介木下マイスター東京監督のコメント
−監督に就任1年目でチャンピオンです。今のお気持ちを聞かせてください。
僕の初年度というよりも、選手が一生懸命頑張ってくれました。また、レギュラーシーズン21戦戦い抜いて、今日1日ですべてが決まるので本当に今日は1日緊張しましたけど、選手に頑張ってもらいました。
−決勝は前半で2勝することができました。
団体戦の鉄則としてやはりダブルスを取るということと、エースが何が何でも勝つということが、1、2番でできました。そして、今シーズン大活躍してくれた及川が締めてくれたので、何も言うことはないです。
−最後、及川選手と篠塚選手の最終ゲームは見ていていかがでしたか。
見ていて世界のトップレベルのようなラリーとボールの質で、本当にどちらが勝ってもおかしくないプレーだったので、手に汗握る思いで最後まで見守っていました。
−ファンの皆さんに一言お願いします。
今年はコロナ禍でなかなかお客さんが入ることができませんでしたが、また次のシーズンから我々、木下マイスター東京、そして今日戦ってくれたT.T彩たま、そしてほかのチームも一生懸命Tリーグを盛り上げていきます。
また、Tリーグが発展することによって、日本の卓球が強くなっていきますので、ぜひとも今後ともTリーグ応援よろしくお願いします!
●張本智和のコメント
−優勝が決まった今の気持ちをお聞かせください。
去年は自分がプレーできずに終わってしまって、本当に悔しかったんですけど、今年はしっかり2番で出て、1番のダブルスの流れを引き継いで、最後は及川選手が締めて優勝することができて本当に最高です。
−2番のシングルスにはどのような気持ちで臨みましたか。
大島選手と田添選手(のダブルス)は去年のファイナルで惜しくも負けていて、今年に懸ける思いは普段から練習を見ていて強く感じていたので、勝ってくれて自分のことのように嬉しかったですし、自分も2番に入りやすかったです。
−相手は今シーズン苦しめられてきた曽根選手でしたが、勝利の瞬間の気持ちは?
シーズンでは3度敗れていますが、最後のビクトリーマッチでは勝っていたので、イメージはちゃんと持って、この舞台でリベンジする気持ちで戦って、結果的にストレートで勝てて本当に嬉しいです。
−大きなガッツポーズを決めましたね。
僕が決めた時点で、3番か4番のどちらかが決めてくれると信じていたので、確信はありませんでしたが、大きく優勝に近づいたと勝利後に思いました。
−ファンへのメッセージをお願いします。
水谷さん(水谷隼/木下グループ)の引退試合以来、たくさんのお客さんに入っていただいて、選手としては最高ですし、本当にプレーのやりがいも感じていたので、今日わざわざお越しいただいてありがとうございました。
今年も1年間、木下マイスター東京の応援ありがとうございました。Tリーグのチャンピオンはやっぱり木下マイスター東京です! 来年以降も絶対優勝し続けるので、是非応援してください。本当にありがとうございました。
(まとめ=卓球レポート)
詳しい試合の結果はTリーグ公式サイトでご確認ください。
Tリーグ:https://tleague.jp/