第23回全国中学選抜卓球大会が3月26~27日、愛媛県武道館(愛媛)で開催された。出場できるのは1・2年生のみ、1複4単の団体戦で1選手が重複して出場できないので6~8名のチーム構成で行う。そのため多くの学校に上位進出のチャンスがある大会だ。今年も全国から予選を勝ち抜いた男女各48校が日本一を争って熱戦を繰り広げた。
【男子団体】全中王者の愛工大名電が2連覇
男子団体1位トーナメント決勝
愛工大名電 3-0 野田学園
○吉山 4,6,6 渡辺
○持田 6,8,9 由本
○橋本/佐々木 9,9,9 大坪/日野
日高 - 木村
杉浦 - 岡本
男子団体決勝は、昨年と同じ愛工大名電と野田学園という組み合わせとなった。
愛工大名電はエースでキャプテンの吉山和希を軸に粒ぞろいのメンバーで2連覇に臨んだ。一方の野田学園は、2年生の木村、渡辺、岡本を主力に決勝まで無失点で勝ち進んだ。
決勝は、愛工大名電が前半で、エースの吉山と1年生の持田がともにストレートで勝利し一気に王手。ダブルスは各ゲームとも競り合いとなったが、要所で安定したプレーが光った橋本/佐々木が、大坪/日野のサウスポーペアを破り優勝を決めた。
■真田浩二監督のコメント
学校で練習している感じでは、楽しみだな、試合をしてみたいなと思う半面、厳しいだろうなという思いも半面、半分半分の気持ちでした。いけるという感じではありませんでした。
そういう中での優勝でしたので、「やったぞ!」という感じではなく、「優勝できちゃった」という感じの大会でした。
決勝は予想したオーダーが当たったのもプラスに働いたと思います。相手はうちの吉山を警戒してどうオーダーを組むかを考えると思うので、それについてこう来るんじゃないかと考えられたのは大きかったと思います。その中で選手たちがその時にやれることを1本1本やった結果、優勝できたという感じです。
前半こちらが2対0でリードできたので、野田学園さんのダブルスにもプレッシャーがかかりますので、思ったようなパフォーマンスは出せなかったと思います。
(準決勝の中間東戦について)うちのチームで得点を計算できる選手が吉山しかいないので、彼には相当なプレッシャーが間違いなくかかっています。そういうプレッシャーの中で勝って成長していってほしいという気持ちがあります。試合の内容は、相手が見えていないようなプレーが1、2ゲーム目は続いていたので、3、4ゲーム目から相手が見えるようになって、慌ただしくない試合ができたと思います。競っても負けないという気持ちがでていましたね。そういう最後まであきらめない気持ちが今日の優勝につながったと思います。
夏まであとちょっとですけど、強化せなあかんなと(笑)それのみですね。どこのチームも一緒だと思います。他のチームの監督さんとも終わってから少し話しましたが、頑張って協力し合って日本のレベルを上げたいという思いはどこの監督も共通して言えることでした。携わっている身として選手のレベルが落ちたと言われるのが一番悔しいですからね。選手もそうだと思います。日本として頑張りどころだとみんな正直に思っているので、頑張りたいと思います。
■吉山和希キャプテンのコメント
(決勝は)結構あっさり終わったので、今はホッとしている感じです。
準決勝、決勝は苦しくなるかなと思っていましたが、特に準決勝はチーム自体も自分も苦しい状態でしたが、乗り越えることができました。決勝でも1人1人いいプレーができて、優勝できたんじゃないかと思います。
(チームメートのプレーは)緊張しているなと思う場面もありましたが、1人1人自分を出してプレーしていたので、勝ってくれてありがとうという感じです。
チームとしては全中で優勝して、自分自身もシングルスで優勝できるように頑張りたいです。
男子団体1位トーナメント準決勝
愛工大名電 3-1 中間東
○吉山 -11,-10,9,10,9 面田
○持田 5,2,2 千々和
橋本/佐々木 -7,16,7,-9,-9 吉田/杉田○
○杉浦 -8,6,-6,7,3 大貫
日高 - 森
野田学園 3-0 浜松修学舎
○渡辺 -14,7,8,-9,6 村田
○岡本 7,8,11 中西
○大坪/日野 7,7,10 建部/秋月
木村 - 岡田
由本 - 中村
2位には準決勝で浜松修学舎を破った野田学園が入った。念願の初優勝を狙ったが、3大会連続の2位に終わった。
中間東は準決勝の愛工大名電戦で、面田が吉山を2対0とリードを奪ったが勝ちきれずに、ダブルスは勝利したもののチームは惜敗。3年ぶりの王座奪還はならなかった。
浜松修学舎は準々決勝の明徳義塾戦で接戦を制してベスト4入りを決めた。
詳しい記録は愛媛県卓球協会ウェブサイトに掲載されています。
愛媛県卓球協会:https://ehime-tta.net/
(取材=佐藤孝弘)