9月10日に2022-2023シーズンが始まるTリーグは、開幕から4年目にして初の個人戦「Tリーグ NOJIMA CUP 2022」を8月13〜14日にトッケイセキュリティ平塚総合体育館(神奈川)にて開催。
男子は16名、女子は24名が出場し、トーナメント方式で優勝を争う。2日目の14日は男女とも準決勝、3位決定戦、決勝が行われ、男子は張本智和が吉村真晴を破り初優勝を決めた。
優勝 張本智和(琉球アスティーダ)
▼男子決勝の結果
張本智和(琉球アスティーダ) 10,3,7,4 吉村真晴(琉球アスティーダ)
▼男子準決勝の結果
張本智和(琉球アスティーダ) 1,9,-1,5,7 森薗政崇(岡山リベッツ)
吉村真晴(琉球アスティーダ) -8,8,6,8,-0,9,5 吉山僚一(岡山リベッツ)
▼男子3位決定戦の結果
吉山僚一(岡山リベッツ) 10,9,8,-9,8 森薗政崇(岡山リベッツ)
男子準決勝は琉球アスティーダ勢と岡山リベッツ勢同士の対戦となったが、ともに琉球アスティーダ勢が勝利。決勝は来シーズンから加入が決まった張本智和と、キャプテンとして活躍してきた吉村真晴の対戦となった。
この2人の対戦は、今年の全日本卓球2022の再戦となった。全日本では吉村が先手を取って攻めて4対2で勝利した。1回戦で篠塚大登(木下マイスター東京)、準々決勝では丹羽孝希(岡山リベッツ)、準決勝では吉山僚一(岡山リベッツ)と強敵を連破してきた好調の吉村だけに、決勝でも好勝負が期待されたが、張本が強かった。
準決勝ではバックハンドクロスで森薗のフォア側を鋭くえぐり、付けいる隙を与えなかった張本は、決勝では、やはりバックハンドの強打を軸に、吉村の足を止め、前陣両ハンドの連続攻撃で吉村に反撃の機会を与えずにストレート勝ち。LION CUP TOP32に続き、国内大会で優勝を決め、パリ五輪代表という目標にまた一歩近づいた。
2位 吉村真晴(琉球アスティーダ)
パリを目指す決意を固めた吉村真晴は、アジア競技大会選考会で優勝を決めて以来の決勝進出となった。篠塚、丹羽、吉山と伸び盛りの若手とベテランを破った実力は間違いなく本物だ。特に印象深かったのが、初手の厳しさだ。ラリーで仕掛けるときのドライブの威力が以前にも増して、決定打にも近いようなボールで、リスクはあるものの、その後のラリー展開も明らかに吉村が優位に運べるようになっていた。また、大きなフットワークで中陣からでも強いカウンターを打ち返し、チャンスには大きく回り込んでフォアハンドで攻める強いフィジカルも見せた。
決勝では疲れもあったか、張本の攻勢を崩すことなく終わったが、吉村真晴という存在は若手にとって超えなければならない壁としての存在感を放っている。
3位 吉山僚一(岡山リベッツ)
全日本ジュニア王者にして、インターハイ男子シングルス2年連続2位の実力者が、シニアでもいよいよシニアでもトップに食い込んできた。
1回戦で及川瑞基(木下マイスター東京)、準々決勝で宇田幸矢(明治大学)と全日本タイトルホルダーを鋭いチキータからのコンパクトでワイドに厳しく攻める両ハンドで圧倒した。
準決勝では吉村のスケールの大きな卓球に飲み込まれたが、今大会唯一の高校生として、注目すべき選手の1人であることは間違いない。
4位 森薗政崇(岡山リベッツ)
1回戦で強打者の有延大夢(琉球アスティーダ)をサービス・レシーブからの展開で先手を取って破ると、準々決勝では横谷晟(木下マイスター東京)の速攻に苦しみながらも、持ち前のフィジカルと粘り強さで食らいつき、接戦を制してベスト4入りを果たした森薗政崇。
持ち前のフットワークに加え、今大会では少し台から距離を取ったところからでも強打で跳ね返すシーンが何度も見られた。プレーの潮流に応じて、常に新しいスタイルを模索する森薗に「衰え」は一切ない。
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(取材=卓球レポート)