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開幕直前! 世界卓球2022成都 男子団体の見どころ

 第56回世界卓球選手権団体戦が、中国の成都で9月30〜10月9日にかけて開催される。2020年に開催が予定されていた釜山大会がコロナ禍の影響で、3度の延期の末、中止となったため、世界卓球の団体戦は2018年のハルムスタッド大会以来、4年ぶりの開催となる。
 開幕に先駆けて、元全日本チャンピオンで各国の事情に明るい梅村礼(タマス・バタフライ・ヨーロッパ)が、試合の見どころや各国のチーム状態、注目選手などについて話してくれた。
 ここでは、男子団体の見どころを紹介しよう。
【女子団体の見どころはこちら】

従来とは異なる点が多い団体戦

 2020年に開催予定だった釜山大会が中止になったため、コロナ禍以降初の世界卓球団体戦の開催となりました。
 今大会では、「バブル方式」と呼ばれる感染対策が採用されていて、PCR検査で陰性と認められた選手やコーチ、関係者だけが、チャーター機で現地入りすることができ、ホテルと会場以外の外部との接触は禁止されるなど、厳しい行動制限が設けられています。
 現地での行動制限に加えて、中国の発行するビザを取得するのに手間がかかる、世界卓球の後に行われるWTTチャンピオンズ マカオ大会(10/19〜23)とWTTカップ・ファイナル 新郷大会(10/27〜30)への出場を含めると、拘束期間が約5週間と長くなることを問題視する選手もいました。
 また、チャーター機でしか入国できないなどの理由から、遠征に多額の費用がかかってしまうことも財政的に余裕のないヨーロッパの小国には影響があって、出場はするものの、派遣する選手・スタッフを最小限に絞っている国やチームも少なくありません。オーストリアは費用がネックになって、男女ともに出場をキャンセルしました。一方で、ヨーロッパ予選では敗れていましたが、繰り上げで出場できることになった男子のハンガリーのようなチームもあります。
 加えて、今大会が、「シングルスの世界ランキングに団体戦の結果が反映されない」という現行のルールになって初めての世界卓球団体戦になったことも大きな変更点として挙げられます。トップ選手は、ほぼ全員がシングルスの世界ランキングを上げることを大きな目標にしていますが、そのモチベーションがなくなってしまったわけですから、その影響も無視できないでしょう。
 これらの影響からか、ドイツのボルオフチャロフフランチスカをはじめ、ゴズィー(フランス)、ジャア(アメリカ)、O.アサール(エジプト)らが出場を見合わせており、彼らのプレーが世界卓球で見られないのは残念ですね。
 しかし、こうした制約の中でも、素晴らしいプレーを見せてくれる選手や目覚ましい成長を遂げる選手は必ずいるはずなので、その点では今までと変わりなく楽しみにしています。

開催国中国が盤石の構え
対抗馬はスウェーデンに注目

 ここからは具体的にチーム、選手に焦点を当てて見ていきましょう。
 男子のエントリーリストを見ると、まず、ベストメンバーと言っていい開催国の中国は盤石ですね。このチームから3点を取ることができるチームはちょっと想像できないくらい強いですね。それに加えて、地元開催で、大会前の移動がなかったり、よい練習環境、生活環境が確保できるなど大きなホームアドバンテージがあるので、負ける要素が見当たりません。
 対抗馬とまでは言えませんが、今大会の私のイチ押しは、ベストメンバーで臨むスウェーデンです。ベテランのK.カールソン、ファルクに若手のケルベリ、モーレゴードというメンバーで、いろいろなタイプの選手がいる面白いチームです。
 ドイツは、ヨーロッパチャンピオンダン・チウがエースの面白いチームです。ボル、オフチャロフ、フランチスカの3人がいないことで、さすがに戦力的には大幅ダウンですが、若手中心の楽しみなチームではあります。
 フランスもエースのゴズィーは出ませんが、最近実力を付けてきているルブラン兄弟、特に兄のアレクシスに注目したいですね。初の世界卓球という大舞台でどれくらい思い切ったプレーができるのかが見どころです。
 ルーマニアはU-21のモビレヌやチリタなど若手を起用してもいいと思いましたが、O.イオネスク、H.スッチらベテランが主軸のチームで臨みます。

日本男子には積極的なプレーを期待

 日本男子は直前で丹羽のキャンセルが発表されました。世界卓球、オリンピックでの経験を考えると、日本にとっては手痛い損失ですね。及川、横谷は世界卓球初出場ですし、戸上も団体戦は初めてですから、実力面でも経験面でも張本が柱になることは間違いありません。張本個人もチームも守りに入ることなく、序盤から積極的にプレーしてベスト4以上に返り咲いてほしいです。
 アジア勢ではやはり韓国も強いですが、‪李尚洙‬、林鐘勳が出ません。‪李尚洙‬は選考会で負けて、林鐘勳はけがということで、‪張禹珍‬がエースの若手中心のチームになっていますが、日本が対戦することを考えると怖いチームです。‬‬‬
 中華台北は、林昀儒をエースに、大ベテランの荘智淵がまだまだ強いですよね。林昀儒は以前はパワー対パワーの勝負になるとヨーロッパ勢に対抗できないことがありましたが、今季はデュッセルドルフでも練習していて、距離感を変えたり厳しくコースを攻めたりとプレーの幅が広がってきました。格下の選手に取りこぼしにくいプレーを身に付けてきました。中国選手にも対抗しうる数少ない選手の一人として活躍が楽しみです。

(取材=卓球レポート)

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