第56回世界卓球選手権団体戦が、中国の成都で9月30〜10月9日にかけて開催される。2020年に開催が予定されていた釜山大会がコロナ禍の影響で、3度の延期の末、中止となったため、世界卓球の団体戦は2018年のハルムスタッド大会以来、4年ぶりの開催となる。
競技最終日の10月9日は男子団体決勝が行われ、中国がドイツを下して優勝。世界卓球10連覇を達成した。
中国が2001年大阪大会から続く連覇を10に伸ばす
▼男子団体決勝
中国 3-0 ドイツ
○樊振東 8,8,9 ドゥダ
○馬龍 9,6,-9,1 ダン・チウ
○王楚欽 7,8,4 シュトゥンパー
昨日、日本との死闘をくぐり抜けた中国は、日本戦とは変わり、経験豊富な馬龍を2点使いに戻し、王楚欽を3番に置くオーダーを組んできた。
対するドイツは、エースのダン・チウ、好調のドゥダを2点使いし、19歳のシュトゥンパーが3番という決勝トーナメントに入ってから続けているオーダーを不動で中国に挑む。
トップは樊振東が持ち味の鋭い両ハンドでドゥダを下し、中国が先制する。今大会、試合を重ねるごとに強くなっていた感のあるドゥダも台から離れずによく打ち合ったが、勝負どころで樊振東のカウンターを浴び、ゲームを奪うまでには至らなかった。
2番は、馬龍が2ゲームを連取するが、第3ゲームをダン・チウが返し、ドイツのエースとしての意地を見せる。しかし、ゲームを奪われたことでスイッチが入ったのか、第4ゲームは馬龍が一方的な猛攻を仕掛ける。馬龍は、いつもよりリスキーなダン・チウの攻めを受けつつ、さらに上回るさすがのプレーで健在をアピールすると同時に、中国が王手をかける。
3番は、昨日の日本戦ラストで勝った王楚欽が躍動する。伸び盛りのシュトゥンパーもアグレッシブな攻めで会場をどよめかせる場面をつくったが、地力でまさる王楚欽がストレートで勝利し、中国が優勝を決めた。
この優勝で、2001年大阪大会から続く連覇を10に伸ばした中国。今大会では準決勝で日本にあわやという場面があったが、思い返せば連覇がスタートした2001年大阪大会の準決勝でも中国は韓国に土俵際まで追い込まれ、奇跡的な逆転勝利で切り抜けた。常勝のプレッシャーにさらされながら、幾多の激戦をくぐり抜けて積み上げた10連覇という途方もない中国の偉業には、ただただ拍手しかない。
一方、大会前は主力を欠くドイツの勝ち上がりを疑問視する声が聞かれたが、チウ・ダン、ドゥダ、シュトゥンパーらは堂々のプレーで決勝まで進み、ボルやオフチャロフ、フランチスカ抜きでもやれることを証明してみせた。ドイツにとっては収穫の多い大会になったことだろう。
(まとめ=卓球レポート)