12月10(土)〜11(日)、2022日本卓球リーグプレーオフJTTLファイナル4が、宮崎県延岡市の延岡市民体育館で開催。
ファイナル4とは、前期と後期の日本リーグの総合順位上位4チームが年間日本一を賭けて争う大会で、優勝チームには内閣総理大臣杯が贈られる。女子は総合1位のサンリツ、2位の中国電力、3位の昭和電工マテリアルズ、4位の神戸松蔭女子学院大学の4チームが出場。
本日12月11日は男子決勝が行われ、シチズン時計が日鉄物流ブレイザーズを3対2で下し、ファイナル4初制覇を果たした。
シチズン時計が日鉄物流ブレイザーズとの5番ゲームオールジュースを制し、劇的初優勝
▼男子決勝
シチズン時計 3対2 日鉄物流ブレイザーズ
上村慶哉 -4,-8,3,-9 藤村友也○
○御内健太郎 9,6,-9,9 大島祐哉
○上村慶哉/酒井明日翔 5,-10,2 藤村友也/髙見真己
三部航平 2,-7,8,-7,-9 定松祐輔○
○酒井明日翔 -11,-4,7,7,10 髙見真己
午前中に行われた女子決勝同様、総合2位のシチズン時計対総合1位の日鉄物流ブレイザーズの男子決勝もラストまでもつれる大激戦になった。
トップは藤村が得意のサービスからのラリーで上村を退け、日鉄物流ブレイザーズが先制する。
2番の御内とゴールド選手(レンタル選手)の大島の試合は、「これぞファイナル4」とでもいうような見ごたえのある試合になった。来年の全日本で引退を表明している監督兼選手の御内は、「力も実績も相手(大島)が上。向かっていくだけだった」と振り返る通り、大島の豪打を何本もカットで拾い、思い切った3球目攻撃も随所で決めて3対1で勝利。引退を目前に控えた選手とはとても思えない充実したプレーで、御内が勝負を振り出しに戻した。
大島の力からすれば王手をかけられてもおかしくなかったが、御内の渾身のプレーで踏みとどまったことで上村/酒井のダブルスも奮起。積極的なプレーで力のある藤村/髙見を下し、シチズン時計が逆に王手をかける。
4番、最近好調の三部で決めたかったシチズン時計だったが、今度は日鉄物流ブレイザーズの定松が奮起。あとがない中、強烈な両ハンドを叩き込んで三部をゲームオール9本で振り切り、土俵際で日鉄物流ブレイザーズが追い付く。
泣いても笑っても勝敗が決するラスト、序盤は髙見が安定したプレーで酒井のミスを誘い、2ゲームを連取する。勝負あったかに思えたが、ここから酒井が目覚める。ミスが出ていた強打を控えて安定性を重視するかと思いきや、さらに強打のギアを上げ、ゲームオールジュースで大逆転勝利。シチズン時計が創部以来、ファイナル4に挑戦すること実に12回目にして、悲願の初優勝を果たした。
長年チームを引っ張ってきた御内の引退に華を添えるべく、「御内さんに優勝を!」を合言葉にファイナル4に臨んだシチズン時計ベンチは、奇跡的な勝利をあげた酒井を迎え、涙に包まれた。
■シチズン時計・御内健太郎監督兼選手のコメント
「昨日から(日鉄物流ブレイザーズとは)激戦になるなとは思っていたんですけど、ここまで激しい試合になって、その中で、選手4人、試合の中で本当に自分たちの力を出して、最後の集大成で最高のパフォーマンスを発揮してくれたと思います。
(2番の大島戦は)実力的にも実績でも大島選手がはるかに上なので、僕は向かっていくだけで挑戦者の立場だったので、こういった結果になったのかなと思います。
入社して(ファイナル4で)優勝しそうになったこともあったんですけど、本当に会社のサポートがあって家族の支えがあって、友人たちの応援があって、ここまでこれたと思います。この優勝は自分たちのものではなく、支えてくださった皆さんに最高の形で恩返しできたのかなと思っています。本当に応援してくださる皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。
■シチズン時計主将・上村慶哉選手のコメント
「最高!個人的には昨日ガチンコ勝負で行くと(御内監督から)伝えられて、自分の名前を1番に書いてもらったので期待に応えたかったですが、ダブルスで勝ったので最低限の仕事はできたのかなと思っています。50年以上の歴史のあるチームで、初優勝という歴史の1ページを残せたことは本当に誇らしく思います」
一方、後期日本リーグで悲願のリーグ初制覇を果たした日鉄物流ブレイザーズは、その勢いでファイナル4も制したかったところだったが、プラスアルファの力を発揮したシチズン時計に屈した。
2度目のファイナル4制覇はならなかったが、日鉄物流ブレイザーズが日本リーグのトップ集団であることを示す見事な戦いぶりだった。
詳しい記録はこちらから
日本卓球リーグ実業団連盟:https://www.jttl.gr.jp/taikairesult/2022/10/2022-jttl4.php
(まとめ=卓球レポート)